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    ミマス

    海月(うみのつき)

    LÀM XONG・若き数学者と詩聖のお話パート2。
    ・ちょっぴりカプ寄りな表現あり。苦手な方は回れ右。
    ・奏章Ⅳのネタバレを含みます。
    ・モリンテかンテモリか……んー、どっちでもいいんじゃない?派 考えるの面倒臭いから心とか魂で感じる方がいいと思うー。
    FunFanService 太陽の光など生まれてこのかた知らない曇天と、人ひとりの姿さえ見られず存在意義を失った大通り。亡者が居住しているはずの建物の扉は、皆一様に固く閉ざされたまま。色欲区はまさにゴーストタウンじみた有様だった。

    「色欲区というから一体どんな場所かと身構えていたが……僕の想像とはかなりかけ離れていたよ」

     色欲、というからには、そこかしこに「情欲を抱いた人間」がわらわらしていると予想していたのだが、異様な静けさだけが居座っている区域内の様相に、モリアーティは肩透かしを喰らった気分になった。
     ……別にそういう人間が見たかった訳ではない。どちらかと言えば僕自身は(自分で言うのも躊躇われるが)、欲より理性で得られる利益を優先する。だから逆位置にいる人間を目の当たりにすると、どうしても顔が歪んでしまう。醜悪という感情からではない。理解に苦しむ、という意味でだ。むしろ偏桃体やら前頭葉が発達した人間という生き物として、彼らは何も間違ってはいない。過ぎる欲望は身を滅ぼすが、欲や願いがなければ人は生きる情熱を失ってしまう。ちょうど薪の類と同じ原理だ。みずからを燃やしてエネルギーを獲得し前進していく。きっと、おかしいのは僕の方だ。僕は薪ではなく、ちょっと他人より効率がいいだけの石炭なのである。
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    キタハル

    LÀM XONG半伝 犬とか猫とかを拾ってきがちな伝と、犬相手に嫉妬しちゃう半が見たかった。山田家の獰猛なネコチャンに関する捏造を含みます。
    仔犬の半助、保護される「ははは、半助、そんなとこ舐めるな、全くもう、あっはっは」
    山田先生が「半助」に顔を舐められて、くすぐったそうに笑う。咎める言葉でありながら声音は楽しそうで、相手を本気で止めようとしているとは思い難い。人間の方の半助はムムウと頬を膨らませた。ここ数日の山田先生は、裏山で拾ってきた仔犬の半助にかかりきりだ。人間の半助の方はなかなか構ってもらえずに、ちょっぴりおかんむりなのである。

    事の顛末はこうだ。裏山の、おそらく生徒が掘ったであろう穴に、仔犬が落ちてキューキュー鳴いていた。そこに日課の朝ランニングをしている山田先生が通りかかった。そこは低学年生の実技でも使うような場所であるため、見目の愛らしい仔犬などが鳴いていては、生徒たちの気が散るのは火を見るより明らかだった。だから授業の邪魔にならぬよう、拾ってきたのだと山田先生は言う。山田先生はどこからか使っていない箱を持ってきて、ご自身の着古しの忍者装束を割いて底に敷き、仔犬をそこに入れた。私事なのに生物委員に任せきりにするわけにもいかないからと言い、それを山田・土井の職員部屋に持ち込む。手慣れた様子ではあるが、なんせ仔犬だ、手がかかる。食事の間隔も短く、食わせるのにも人の手がいる。山田先生の手からすり潰した残飯をおぼつかない様子で食べる仔犬は確かに愛らしい。甲斐甲斐しく仔犬の面倒をみる山田先生も、ご多用ではあるものの楽しそうだ。よく食べた、偉いぞ、可愛いなぁ。そう言って仔犬を撫でるのである。山田家に匿ってもらった時のことを思い出す。出していただいた食事がたいへんおいしく、遠慮も外聞もなくペロリと平らげた時も、感心した様子で鷹揚に褒めてくださったのだった。なんだか、気恥ずかしくて落ち着かない。
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