リヨン
転生の毛玉
らくがき【創作】ヌビアの子、2年目の7月の話リヨンとナスカと…?
君の素顔と兄の品ヌビア学研究所、その会議室の一つ。監視カメラが無く、鍵の閉まる場所。予約さえすれば、誰でも使える場所。そこに、ヌビアの子の二人がいる。
(…………)
リヨンは何も言わずに、ぼくの────ナスカの言葉を待っている。会議室にぽつんと置かれた無機質な椅子に座って、ぼくの言葉を待っている。
閉鎖空間だ。
そんな場所に、すっかり惚れ込んでしまった女の子と二人でいるのだから、何も意識するなという方が難しい。
だけれど、ぼくの心臓は、それとは別の要因で騒いでいた。
「……そ、その。いいかな、これ、脱いでも」
ぼくが自分で指さしたのは、頭の部分を覆うクラゲ。リヨンは、こくりと頷いた。
ぼくは、すうっ、はぁっ、と、一つ大きく深呼吸をする。
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リヨンは何も言わずに、ぼくの────ナスカの言葉を待っている。会議室にぽつんと置かれた無機質な椅子に座って、ぼくの言葉を待っている。
閉鎖空間だ。
そんな場所に、すっかり惚れ込んでしまった女の子と二人でいるのだから、何も意識するなという方が難しい。
だけれど、ぼくの心臓は、それとは別の要因で騒いでいた。
「……そ、その。いいかな、これ、脱いでも」
ぼくが自分で指さしたのは、頭の部分を覆うクラゲ。リヨンは、こくりと頷いた。
ぼくは、すうっ、はぁっ、と、一つ大きく深呼吸をする。
転生の毛玉
らくがき【創作】すーぐ高校生組の話するリヨン、カステル、エルベ
少女、3年生「あら?カステルさん」
その声に、アタシは顔を上げた。教室の中、傾いた陽射しに、艷やかな黒髪を切りそろえた少女が照らされている。
「リヨンじゃないか」
アタシはその名前を呼んだ。リヨンはニッコリと微笑む。
「もう6時を回っていますよ。委員会のお仕事ですか?」
「ああ、運動会実行委員のね。そう言うリヨンも、生徒会の仕事だろう?副会長様」
「ご明察です」
リヨンは可笑しそうに口元に手を当てて、小首を傾げた。一つ一つの所作の品が良い。本当に、『お嬢様』という言葉がよく似合う。アイールやテネレも『お嬢様』らしいのだけれど(なんでもお家の方が高級官僚だとか)、リヨンとは少し種類が違う気がする。これが、第5都市と中央都市のお国柄の違いだろうか。
2448その声に、アタシは顔を上げた。教室の中、傾いた陽射しに、艷やかな黒髪を切りそろえた少女が照らされている。
「リヨンじゃないか」
アタシはその名前を呼んだ。リヨンはニッコリと微笑む。
「もう6時を回っていますよ。委員会のお仕事ですか?」
「ああ、運動会実行委員のね。そう言うリヨンも、生徒会の仕事だろう?副会長様」
「ご明察です」
リヨンは可笑しそうに口元に手を当てて、小首を傾げた。一つ一つの所作の品が良い。本当に、『お嬢様』という言葉がよく似合う。アイールやテネレも『お嬢様』らしいのだけれど(なんでもお家の方が高級官僚だとか)、リヨンとは少し種類が違う気がする。これが、第5都市と中央都市のお国柄の違いだろうか。