ルチル
ksrg08871604
REHABILI寝れない賢者に気づいたルチルお題ガチャに沿って書いたセルフワンライです
変なところで終わりますほろ酔い気分で廊下を歩いていたルチルは広間からあかりが漏れていることに気づいた。夜も更けた午前零時。またミスラが眠れずにいるのかも、と中を覗いた彼が見たのは華奢な後ろ姿だった。焦茶のロングヘアは彼女に違いないだろう。
「賢者様?」
呼びかけると緩慢な動作で目の前の女性が振り向いた。
「あ、ルチルでしたか。」
心なしか目の縁が赤い。涙の跡はないが泣いていたのかもしれない。ルチルは心を痛めて口を開きかけたが慌てたように賢者がそれを遮って話し始めた。
「あの、別に何かあったわけではないんですが……。ちょっと夢見が悪くって。」
「夢見、ですか。」
「すぐに寝ちゃうと続きをまた見てしまいそうでここまで来ちゃいました。」
誤魔化すように、から笑いする賢者の顔色は彼女を照らす月光の青白さを抜いても良いとは言えない。確か明日も午前中から西の国で調査があると言っていたはずだ。こんな様子の彼女へただ眠りなさいと勧告するのはあんまりだけれど、このまま徹夜するのも体が心配で、どうしたらいいか考えあぐねながらルチルは賢者の佇む窓辺へ歩み寄った。
「賢者様……。」
なんの気はなしに窓枠へ添えられた賢者の手に自分の 1913