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    レド

    tang_brmy

    PAST立衣都/吏衣都の、吏来さん目線のおはなし。CP未満の二人が飲みに行って恋について話す回。
    吏来さんは衣都ちゃんに「好きになりそう」と言ったりしても、実際には一線を引きそうだな〜というところからの妄想です。二人の恋愛観を大いに捏造していますのでご注意を。
    吏来さんは過去に大きな喪失を抱えていそうだけれど、その人と今の恋をする相手を比較することなくいつだって真剣に恋してる人であるといいな。
    earnestness「付き合って貰っちゃって悪いね」
    「いえ、こちらこそ。夕飯をどうしようか迷っていたので、誘って頂けて嬉しいです」
    「そう? 俺としては、衣都にそう言って貰えて嬉しいよ」
     笑い顔を浮かべた吏来が衣都の向かいの席に座った途端、スマートフォンから呼び出し音が鳴った。
    「……」
     鳴り続けるコールに、マナーモードにしておかなかったのは失敗だったと吏来が眉を寄せたのを、彼女は見逃さなかった。
    「どうぞ、出て下さい」
    「すぐ戻る。ごめん」
     吏来は一旦席を立つと店外に出て、ため息をひとつ。それから通話ボタンをタップして、相手に煩わしさを気取らせないよう手短かに会話を切り上げた。

     席に戻る前に、店内を興味深そうに見回す衣都の姿を遠目から観察する。
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    ひらい

    DOODLEれんげの友達になれたかもしれなかった少女の話。
    100%捏造。
    若干文章の繋がりが雑だけど読めるはず……。

    この彼女は、あくまでもれんげの思考への最後の一打にはなったし、友人になれるかもしれなかったという点で大事な思い出でもあったけれど、割り切った以上、もう思い出すことはない。
     霊の視える少女に打算込みで声を掛ける、ずっと前のこと。心から友人になれるかもしれないと思えた少女がいた。

     堕魔死神高校に入学して、何をすれば良いのだろう、と疑問に思っていたのも数日の話。現世の高校に行って男子生徒の魂を集めるように指示が与えられるまで、そう長くはなかった。
     命じられたのは、男子の魂を根こそぎ奪うだけの簡単な仕事。自分の顔が整っていることは紛うことなき事実であるし、それを利用するだけでタダで仕事がこなせて学習の機会も得られるのならば、それを断る理由なんてない。カンパニー本社に籠ってくだらない世間話に興じている同級生を横目に、単身現世に発った。

     やり口がやり口であったので、当然女子には疎まれて、友人の一人もできやしなかったけれど、図書室も自習室も無料で好きなだけ使えるのだから、プラマイゼロどころか大幅にプラス寄りである。
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    misa

    DONE《現パロ》宇←煉←宇弟《宇煉》《弟煉》

    ⚠宇に彼女いる描写あり。
    ⚠宇の大方の出番は後半になります。 
    ⚠ちょっと煉が女々しい。
    ⚠今回は弟目線と煉目線です。

    ちょっと妄想が肥大し過ぎたので性懲りもなくまた△関係書き始めました…。突発的でもないんだけれどとりあえずはポイの方で連載していこうかなー?と考えてます。が、ある程度溜まったら支部にも載せるやも…。
    1 照らしてよ、ペリドット自分が欲しいものなんて、この世のどこにも無いと思っていた。




    照らしてよ、ペリドット




    何が欲しい?何が好き?クマのお人形よ。このミニカーはどう?とってもかっこいいでしょう?
    物心ついた頃だ。自分のような感情を表に出さない子供を持つ親は大変だろうと、あの手この手で自分を喜ばせようと必死な両親を哀れに思った。愛嬌があって愛され上手である兄がいるから余計にそうだったのだろう。兄と分け隔てなく自分のことも愛そうと躍起になる両親は、自分の目には滑稽にすら映ったものだ。
    別に何も欲しくなかった。無いからといって不満だったわけではない。それが彼らには理解できないようだった。強いていうなら、自分も兄のようであれば―――少し何かが違っていただろうかと思った。
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    exchira_oxchira

    DONE律ちゃま、お誕生日おめでとうございます。あなたが生まれてきたこの世界を、憂うことはのなつが担当します。せめて、今日だけは、今夜だけは。
    愛されて、愛して生きているあなたを愛おしみます。これは、羨みかもしれません。のなつの夏に律ちゃまのお誕生日は来ないかもしれないけれど、のなつの夏に律ちゃまはいないのかもしれないけれど、いないかもしれないからこそ、のなつは律ちゃまを消費します。待ってて、君の夏で。
    あくるひその日は茹だるような暑さで、朝に撒いた水は30分もしないうちに干上がって地面から色すら消えてしまって、もう面影もなかった。昨日の夕方に降った大粒で大量な雨の恩恵すらも消え失せて、草花木果は喘ぐことも出来ず項垂れている。夏仕様に花など生けてある暖炉はけれど、この国の花では似合わないな、とは、この季節に入ってから毎日ぼんやり感じていた。そんなこと気にも留めないように、彼女は桃のカプレーゼを退屈してつつく私を見ている。満足そうに、夕日色のおめめを弧にして。私は本当なら、カプレーゼを食べるなら白ワインがいい。こんな夏には、着たいワンピースがあるし、実家に帰らない、と、…それってどこのことだっけ。誰がいるからそうしなきゃいけないんだっけ、ワンピースがしまってあるのはどこで、…ああまたこれだ。彼女といるようになってから、この屋敷に来てから?全部が曖昧模糊して、いやだ。ぜんぶ、ぜんぶ希薄になろうとしている。外との繋がり、他者との繋がり、…おかしいな、目の前の彼女だって、他者なのに、どうして今、一瞬含めないでいいと思ったんだろう。でも、こういう無駄なこと考えようとしちゃうのは、昔からだよね。ねえ。
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