交織的平行線【序幕】

　　夏末的夜晚，原是炎熱的天氣開始吹來陣陣微風。
男孩握著背帶的手稍加握緊。
（明天開始帶件薄外套吧！）
邊想著邊望向逐漸昏暗的天色，順手舉起手機，屏幕顯示［8月29日，星期四，20:44］。

「前輩，今天也辛苦了～！」
「你也是，做得還習慣嗎？」
「今天收銀機操作還有些問題，等等店長說會教我…」

「是嗎？辛苦了～！」眼神餘光瞄到對方似乎面有難色，「怎麼了嗎？」
「聽說最近晚上21:00的時候，會碰到一個戴著口罩的女生站在路燈下…」

男孩回想著從店裡新進來的晚輩口中提到的都市傳說，不由自主打了個冷顫，眼神望向空無一人的遠方，明明是再熟悉不過的路，為什麼腳步會開始遲疑呢？
再度看向手機，不偏不倚正好［21:00］，男孩內心咯噔一跳，埋著頭腳步加快。

本予備狛日放課後、ゲーム大会があると七海さんに言われて教室に入るといつも見るツンツン頭の予備学科…日向クンがいた。

｢はぁ、また予備学科がいる…｣
｢……｣
｢なに？無視？予備学科は挨拶すらできないの？｣
｢うるさいなぁ！そんなに嫌なら話しかけなきゃいいだろ！｣
｢まぁまぁ、落ち着いて、日向くん｣
｢すまん、七海｣
｢話しかけなきゃいいって言うけどねぇ、予備学科のキミが本科の輝かしいみんなと話している事がそもそもだめなんだよ。わかるかなぁ｣
｢狛枝おめぇ、さすがに日向に強く当たりすぎだろ。日向だってもうこのクラスの全員とダチだし仲間だ。お前もそろそろケジメつけろよ｣
｢ごめんね九頭龍クン！でもね、才能もない予備学科が本科校舎に入るだけでも恐れ多いことなのに希望のみんなと話してるなんておこがましいなと思って…まぁボクみたいなゴミクズもそうなんだけどね！でもそうじゃなくて｣

『ピリオド』　アズールは前世の記憶を持ったまま転生してしまい、前世の恋人(/夫)であるジェイドを数年探すものの見つけられない。しかも自分には婚約者がいて成人を迎えると結婚しなくてはならなかった。
「この人生ではジェイドには逢えないのか」とアズールは少し悲しくなるも、今の生を受け入れようと気持ちを切り替える。
１年後には成人を迎える…そんな頃、舞踏会でジェイドらしき面影を見つける。喜びに体が勝手に動き、気づけば声をかけていた。
「じ、ジェイド！」
「？　…どうして僕の名前を。」
　キョトンとする顔が現状を物語る。覚えていたのは自分だけだったのだ。初めましてとにこやかに出される手に、ええ初めまして…とぎこちない笑顔で握り返した。