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    ヴィル

    黒崎/grifith

    MOURNING採用されなかったザック(黒魔道士)とヴィル(学者)の会話。没なので供養。「お前割と色んな事してるよな。」
    「うん?何がだ?」
    手元の端末を弄りながら褒めるでもなく淡々とザックは口にした。
    「クラフターは全部終わってるのか…ヒラキャスも終わってる。遠隔もほぼ完了か。」
    「ああ、レベルの話か。」
    「うん。」
    端末に移るのは冒険者として公式登録してある情報で、氏名を調べればある程度の事はわかるようになっている。便利な世の中になったものだと、ザックは呟いた。
    「お前の名前、なんで読むんだ?ヴィルヘレム?」
    「そんなに読みにくい名前ではないと思うが?ヴィルヘルムという。姓はベッカーだ。」
    「ヴィルヘルム、ベッカー…」
    「なんでまた…」
    「いや、純粋に知らんかった、と言うか覚えてなかった。」
    「お前は。アイザック…ボヌール?」
    「いや、ボンネル。結構間違われるな…」
    「へぇ。」
    「支障はねぇけど。姓は適当だからな。」
    「は?」
    「別に登録名は偽名でも構わねぇんだよ。本名と紐付けできてれば。」
    「知らなかった…」
    マジか…少々驚いた顔で返事をするとヴィルは苦笑する。
    「出身はイシュガルドだからな。こっちの風潮とか登録のルールなんかには疎かったからかな」
    「そりゃそうか… 877