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    五月

    torinokko09

    DONE五月5週目「かわいさ」
    朝のまどろみがあなたにもやをかけてくれたから ぱちり。燐音は眠りから目を覚ました。頭上の時計は午前五時、いつもなら燐音が起床する時間だった。じんわりと汗をかいた体に不信感を覚えて、胸元をくすぐる感覚にあぁと思い出す。
     一彩が泊っているんだった。やけに熱い体温はこのせいか。燐音の胸元にしっかりとくっついて寝ている弟は、まだ起きる気配がない。もともと地方の仕事からそのまま燐音の部屋に来たのだから、疲れていて当然だろう。燐音もそれを理由に泊まらせた。ぐるりと首だけを回して窓を見る。カーテンの隙間から光が漏れていて、外はもう朝であることを告げていた。
    起きなくては。朝ごはんの支度をして、仕事の準備をせねばならない。燐音は焦っていた。つい先月、Crazy:Bとして大きな仕事が舞い込んできたのだ。現時点で知るのは燐音とHiMERUだけだった。今月末に行うライブにてファンにも知らされる『全国ツアー』の文字は、燐音たちにとっても寝耳に水の事態だった。なぜそんな話がCrazy:Bに持ち掛けられたのか、燐音はHiMERUと探らねばならなかった。いい話には何か裏があるものだ。ささいなことでも、それは知っておかなくてはならない。燐音は自分に舞い込む仕事の重さにため息をついた。
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    百合菜

    DONE「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    自分の真実の姿を知った七緒。
    この先、どうやって生きるべきか迷っている彼女に五月が意外な提案をしてきて

    ※原作の雰囲気はまったく無視した楽観的な展開ですので、そういう意味でご注意ください
    「永遠と刹那の狭間で」17.永遠か刹那か17.永遠か刹那か

    「先ほど、カピタンが変なことを話していたけど、幸村さん、もしかするとあなたも心当たりがあるのではないですか?」

    七緒の直球な質問に幸村は息を呑む。
    それは肯定を意味するということを彼もわかっているのだろうが、誤魔化せるほどの器用さも余裕もないのだろう。
    幸村は首を縦に振る。

    「カピタンが話したように、あなたは龍神の神子ではなく、龍神そのものなのです」
    「そんな……」

    それしか言えなかった。
    確かに自分には不思議な力があった。
    しかし、それは龍神の神子だから備えているものであり、まさか龍神そのものだとは思いもしなかった。
    そう言われてもにわかに信じがたいのも事実。

    「幸村さんが嘘を吐くようには思いません。証拠はあるのですか?」
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