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    千秋

    よしば

    DOODLEお酒に酔っ払う千秋の奏千「ふふっ、かーなたぁ♪」
     背中からやけに上機嫌な声と共に腕が伸びてくる。後ろから痛いくらいに抱きしめられ、奏汰は小さく溜息を吐いた。
    「ちあき、いたいです」
    「んー?」
     回してきた腕をぽんぽんと叩くが、力が緩められることはない。もちろん潰れてしまうほどではないが、少し息苦しい。千秋は後ろから抱きしめたまま猫のように頭を擦り付けてきて、その頭をぺちりと叩いた。
    「まったく、どうしておさけのはいったちょこなんてたべちゃうんですか」
    「事務所のひとにもらったんだ。おいしかったぞ?」
     抱きしめてくる千秋の体はひどく熱い。まさかお菓子に入っている程度の酒で酔うとは思っていなかったのだろう、事務所の事務員は軽率だったと奏汰に頭を下げていた。もちろん彼が悪いとは思っていないので、謝罪には気にしないようにと返して、千秋を部屋まで連れて帰ろうと一緒にESビルを出た。
    「ほら。だきついてるとあるけませんよ。はなしてください」
    「む。おまえと一緒なんてひさしぶりだろう。もうすこしくらい、いいだろ」
    「そういう『あまえ』を『しらふ』でできたらかわいいんですけど」
     今の千秋はただの酔っ払いだ。きちんと話 1824