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    おもち

    TRAININGPsyBorg&mafiyamiの仲良し紫組です。ワードパレットの「クレークル」喉・帽子・木漏れ日、がお題でした。好き勝手書いてます。
    向かいの席の椅子が引かれ、スマホから顔を上げる。そこに座った男は当然のように店員さんを呼んでアイスコーヒーを頼んだ。黙ったままそれを見届け、よくやくこちらを向いた男に「このマイクどうかな?」と先ほどまで見ていたショッピングサイトをスマホの画面に表示させたまま彼に渡す。
    「んー……あ、なんか見たことあるな。これ誰か使ってなかった?」
    「え、本当? あとでみんなに聞いてみよ」
    「うん、たぶん誰かいたはず。ていうか、さあ、聞いてよ」
    挨拶もなく、僕たちの会話は転がっていく。たぶん、気が合うんだ。浮奇といる時の僕はすごく自然だ。それにたぶん浮奇も。お互いに話したい時に話して、話す気分じゃない時は黙って、そのタイミングがなんでかすごくピッタリ合う。僕に男兄弟はいないけどもしいたらこんな感じなのかなって浮奇に言ってみたら、兄弟っていうより幼馴染って感じと返ってきて、僕だけじゃなくて浮奇も同じ感覚を持っているということが嬉しかった。思わず笑ってしまった僕に、浮奇は何コイツって顔を向けてきたけど。
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