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    えだつみ

    @EDTM317

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    えだつみ

    PROGRESS書き下ろしと言いつつ11月23日のWEBオンリーで全文公開する予定
    ちょっと不穏な状況で三日月と鶴丸が邂逅して何やかやする話
    【つるみか】11月の再録本に載せようと思っている書き下ろし冒頭 IDと許可証の提示を、と求められて、鶴丸国永は万屋街の入口で立ち尽くすより他なかった。
     本丸から、そう少なくもない頻度で通っている、いつもの政府管轄の万屋街である。日用品を売る店があり、酒を売る店があり、飲み食いの出来る店があって、奥へ進めば大きな声では言いづらい用を足せる店までもが並ぶ、本丸所属の刀剣男士であれば訪れたことのない者はほとんど居ないと言ってもよい、馴染みの場だ。鶴丸は今日ここへ、本丸の用足しにやってきた。厨に常備する調味料の類を、買いに訪れたのだった。
     いつもと様子が違うことは、近づいた時点で察していた。万屋街は政府が構築した一種の仮想空間であるという性質上、本丸と同じく四方が塀で囲まれており、出入口は一箇所に定められていたのだったが、その一箇所しかない出入口にやたらと人だかりが出来ていたのである。見ると、そこは関所のごとく通り道が狭められ、入る者と出る者がそれぞれ制限されている様子であった。鶴丸は、入ろうとする者たちが作る列の最後尾に並び、呑気に順番待ちをした上で、いよいよ、というところで思いがけない要求にあった。それが、IDと許可証の提示であった。
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    えだつみ

    PROGRESSただの同僚同士のつるみかの本丸に二振り目が顕現してなんやかんやする話(予定)
    発行の際に大幅改稿の可能性があります
    ただの作業進捗です
    【つるみか】7月新刊の作業進捗「今期の第一部隊長は三日月宗近とする。明日の昼までに、編成の希望を出してくれ」

     近侍の山姥切国広が主からの任命書を読み上げ、その指示の声が広間に響く。
     畳張りの大広間に居たすべての刀たちの視線は、自然部屋の前方にいた刀へと集まった。青い衣装を身に纏った姿勢のよい座り姿。三日月宗近である。
    「あいわかった」
     三日月が涼やかに応答する。既にそれは、本丸の刀たちにとっては聞き慣れたものであった。三日月もまた、得意げな顔をすることもなく、粛々と拝命する。
     それで、短い集まりは終わった。
     おおよそ十日に一度、定期的に開催される、第一部隊長の任命式である。
     主からの命が周知される、という性質上、全員参加が推奨の、形式的には重要とされている集まりである。だが、近頃は本丸の刀の数に対し開催場所の大広間が手狭になってきたという事情もあって、不参加の刀も少なくはない。実際、共有が必要な情報はすぐに掲示されるので、参加せずにいたところでそう不都合はないのであった。
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    えだつみ

    PROGRESS無双の強化紋様と絆システムの設定だけを借りた無双設定本(※無双本丸の話ではありません)
    昔はやることやってたつるみかが隠居してご無沙汰だったけどまたやるようになる話です
    伯仲が出張りますが伯仲にはCPはない(ただし書き手はくにちょぎの人間)
    5/4に発行したいので頑張っています 予定は未定
    発行の際は全面改稿の可能性すらあります 作業進捗です
    【つるみか】無双設定本 衣装箪笥の上から二番目、一番左の引き出しには、鶴丸国永の片手袋が入っている。

     三日月は、ずいぶん久し振りにその引き出しを開けた。まだおろしていない予備の手拭いが、たしかそこに入っていたはずだという記憶を辿った末だった。思いがけず、あの、特徴的な手袋を見かけて、三日月は一瞬目を瞠った。何か懐かしい匂いのする風が、不意に一筋部屋を駆け抜けたような錯覚がした。
     そして、静かに引き出しを閉めた。
     あれは以前、鶴丸が部屋を訪れた際、忘れて行ったものだ。次の機会に返そうと思って以来、その機会は訪れていない。
     手拭いは隣の引き出しで見つけた。三日月はそれを手に部屋を出た。
     早朝、起き抜けである。朝起きてまだ一度も鏡を見ていないのでわからないが、大抵寝起きの自分の頭には大層な寝癖が出来ていることを三日月は知っている。顔を洗うついでに、それを直してやらなければならない。あくびを噛み殺しながら洗面所へ向かう。
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    えだつみ

    PROGRESS今度は三日月の方が高圧的な感じの新刊(予定)の導入
    このあと各所の地雷に配慮しない展開になっていきますが導入時点では比較的普通です。
    本になるときは全面改稿の可能性もあります。
    【つるみか】五月の新刊予定進捗 鶴丸が顕現したとき、目の前には幼子を抱いた三日月宗近がいた。
     幼子は、まだ二歳か三歳程度に見えた。短く整えられた髪と着ている着物の色を見るに、男児のように思えた。彼は三日月の腕の中で、まるい目を大きく見開いて鶴丸を見ていた。そして、三日月もまた同じだった。
    「鶴丸国永だ。俺みたいなのが突然来て驚いたか?」
     鶴丸は、どうやら自分が彼らに驚きを与えられたらしいと知って満足しながらそう告げた。しかしすぐ、逆に驚かされてしまった。騒がしい足音が近づいてきたかと思うと、二振りの刀が部屋へ飛び込んできたのである。へし切長谷部と、加州清光であった。
    「これは」
     長谷部と加州は、鶴丸を見て同じく目を丸くした。その尋常ではない驚きようには、鶴丸の方が面食らうほどだった。声をあげたのは長谷部で、彼は説明を求めるように三日月を見た。鶴丸もつられて視線を移すと、その時には三日月は凪いだ湖のように静かな目をしていた。
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