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    ひんやり🍠いも

    PROGRESS8月に出す月都🌊☀️の進捗
    部屋の間取りとかと途中整合性の取れないモノもあるし誤字脱字とかもあるので、それを気にしない人向け
    タイトルまだ決めてない〜!水曜日

     昼間はあんなに暑くて夏の始まりを感じていたのに、部活から帰る時間になれば動かした体から吹き出した汗が夕方の風と共に体を冷やす。
     大きな変化もない、いつもの帰り道。なんとなく空を見上げると橙色と紺色が混ざり合う中にぽっかりと薄く白っぽい月が大きくまんまるに浮かんでいる。
     天体には興味のないジュンだが、今日は満月なのだろうか。普段見ない月の大きさに目を取られ綺麗だなんて思いながら、ひと気の少ない河川敷沿いにある寮に向かい足を進めていた。
    「―――!!」
     そんなゆったりとした帰路を楽しむ訳でもないジュンの耳に人の声が降りかかる。
     何を言っているかまでは咄嗟で聞き取れなかったものの、大きな声なのにも関わらず声の主どころか野良猫も見当たらない。足を止め、改めてキョロキョロと辺りを見渡すが相変わらず目に見える範囲には自分しかおらず首を傾げながらも、再び美しい月を見上げると自分に向かって人が降ってきておりギョッと目を見開いた。
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    調@大人向け他

    PASTご要望いただきながら再々版できなかった一冊目、『とける、ほどける、むすばれる』を期間限定でこちらに再録してみました。
    急ぎ仕事でダーシ等ポイピクに合わせて修正出来ていませんが、このたびはお試しということでご寛恕くださいませ。
    『know,don`t know』『our sleeves,always』(再録)
    『傘ひとつ』(書き下ろし)
    の三本を収録しておりました。お求めありがとうございました!
    とける、ほどける、むすばれる know,don't know
     

     その町は、古い城に見下ろされていた。いつの時代のものとも知れぬ。様式はごた混ぜで、壁は堅牢だが塔は高く天を貫き、大きな窓にステンドグラスは嵌っていない。誰が何のために建てたかも、町民達は知らなかった。
     町にはまた、いわゆる吸血鬼伝説があった。これもいつから囁かれたか、分かるものはいないだろう。生気を喰らい永きを生きる化け物が、城に住まうと言われて久しい。
     国は城を遺跡とし、一切の立ち入りを禁止している。本当のところは誰も知らない。
     
     城の全貌が見晴らせる位置に、大きな親水公園があった。河川や湖の近くにあるようなものではなく、幾多の水路が縦横無尽に走りつくり出されたものだ。町のものには、お堀公園と呼ばれている。
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