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    shika_sd1114

    DONE2024/06/30 ジューンブライド内《かえらないでみつめて》
    にて発行予定の作品サンプルです。
    流三WEBオンリー《春と蜜月》にて公開したものと同一です。本にする内容とほぼ変わらないですが、全編書き換えてますのでちょっと違くなると思います。
    流川楓はすべてを手に入れたい 流川楓は、幼い頃から物欲のない子どもだった。

     まだ三歳になったばかりではあるが、彼への誕生日プレゼント、クリスマスプレゼントには何を贈ろうか、両親は流川が三歳を迎えるまで毎回頭を悩ませていたのだ。正直何をあげても無表情、無反応は当たり前で、一番好きなものは睡眠だというお金のかからない子どもだ。それを証明するように、起きているのはご飯の時間くらいだと彼の母親は言う。
     しかし寝てばかりでは体に悪いのではないか……そう悩んだ母親は、流川が歩けるようになった頃から暖かい時間帯で幼い流川を近所へ散歩に連れ出すことにした。それはやがて幼い流川の習慣となり、三歳になった今でも続いている。
     三歳になった流川は歩くことが得意になっていた。道中を黙々と歩き続け、母親や父親の体力の方が先に根を上げてしまうこともあるほど、足腰がとても強く成長していたのだ。
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    肴飯のポイ箱

    DONEお題「相棒」
    変わらないものと、変えたいものについて。これからキダになる。そんなお話。
    変わらない、変わりたい 夜の帳が下りてから大分時間も経ち、今や空の天辺には艶やかに月が光り輝いている。月明かりによって漸く足元が見えるような部屋のさらに奥。窓も無い物置部屋は橙色の小さな室内灯によって照らされている。
    「あれ…やっぱりねえな」
     物置部屋からあちこち物を引っ張り出しては首を捻る長身の男は、最後に諦めきれないようにザッと散らかった部屋の中を見回す。が、お目当てのものは見つけられなかったのだろう。心なしかガックリと肩を落としながら部屋の電気を落とす。
     パチリ、と音を響かせてスイッチを押せば部屋の中はたちまち薄白い光が差し込むだけとなる。
    「ゴーキン」
    「おっジュラルドン。どうした?月光浴はもう良いのか?」
     ベランダに通じるガラス戸を器用に開けて、のっしのっしと音を立てながら自分の方へと歩いてくる白銀の相棒に、長身の男の正体であるキバナは、優しく笑いながら話しかける。いつもならもう少し月夜を浴びて楽しんでいる筈なのに、体調でも悪いのだろうか。そう、少し心配になってじっとこちらを見つめてきているジュラルドンのボディをチェックしようとした瞬間。
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