【最初から決まっているんだよ】「俺、そろそろ帰りますね」
「……うん」
　夕暮れ時。公園のベンチから立ち上がった夏目に、名取はかなりの間を置いてからうなづいた。さっきまでここにいた猫は、塔子の作った夕飯を食べるためすでに歩き始めており、ベンチに残されたのは夏目と名取の二人だけだ。まだ話し足りなかっただろうか、と考えた夏目だが、名取から引き留められたことはないため不思議に思う。
「……どうかしましたか？　その、話し足りないなら夜に電話でも」
「いや、そういうわけじゃないよ」
「じゃあどういう」
「……」
　問い詰めたところで名取は固く口を閉ざしてしまう。やわらかな微笑みと、八の字に下げられた眉尻。なんとなく後ろ髪を引かれてる表情をしていたが、猫はすでに遠くへ行ってしまっていた。

【玲子、夏日与烟火】【玲子、夏日与烟火】

这是...玲子外婆的浴衣...
夏目贵志愣了愣，手中的浴衣变得沉重起来，白色浴衣上有着他从未见过的花，那颜色红得耀眼，很美丽，美丽到快要不属于这个世界了。
除了友人帐，他所知道的夏目玲子几乎都源自妖怪，而这是他目前距离玲子最近的一次，触手可及的距离，没想到竟然是从妖怪那里拿到的，一时间夏目贵志不知道说什么才好。
“夏目殿下...夏目殿下...”
妖怪温柔的声音唤醒了夏目，他愣了愣，对妖怪说了声抱歉。
“没关系的夏目殿下，虽然玲子被它们叫做‘怪人’，但在我看来，玲子是一个很温柔的人类，只是从那次夏日祭典过后玲子就再也没有出现过，我也没能见到玲子穿上我亲手为她做的浴衣。”
妖怪缅怀着，带着遗憾，夏目贵志看到，在它的记忆中，玲子从来都是一个人。