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    大坂

    百合菜

    DONE幸村バッドエンドを元にした話。

    「これ以上、龍神の力を使わないでほしい」、幸村にそう言われた七緒はその言葉を守ることに。
    ふたりは九度山での生活を送り、七緒は普通の人として生き、幸村とも家族になる。
    ふたりの間には子どもも生まれ、一見平穏な生活を過ごすことに。
    しかし、三成との約束を果たすため、幸村は大坂の陣へ行くことに。
    バッドエンドでは命を落とした彼だけど、今回はどうなる!?
    ここから開く新たな未来1.

    「そう…… 豊臣方が……」
    「ええ、姫もご存知のように私には豊臣に切っても切れない義理がございます。この戦の結末は見えているに等しいですが、私には赴かないといけいない理由があるのです」

    慶長十九年(1614年)秋、九度山では一組の夫婦が真剣な眼差しで向き合い、話し合いをしていた。襖ひとつ隔てた寝室では子どもたちが寝息を立てている。
    話し合いをしているのは真田幸村と七緒のふたり。
    天下は徳川のものになったとはいえ、豊臣側の抵抗はたびたびおこなわれており、先日、ついに決定的な亀裂が入る出来事があった。
    そこで、豊臣側はかつての臣下に声を掛けており、幸村も戦いに加勢するよう使いのものがやってきたらしい。
    まっすぐ自分を見つめる瞳を見ながら、七緒はついにこの日がやってきたのかと思う。
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