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    女王

    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第2部第4話
    後のクロウリー学園長=カラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第4話です。
    今回は王妃グリムヒルデと白雪姫の仲睦まじいティータイムにディアヴァルがお邪魔します。こんなにも仲睦まじい二人がなぜあんなことになってしまうのか、それは今後のお楽しみ…。(本文1940文字)

    ※今回の豆知識はWIRED誌から、鳥の「名付け」について。そう、鳥たちも「名前」を持っているのです……!
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部四話「小さなお茶会」 華やかな結婚式から数日後。王城の庭園で虫を漁っていたディアヴァルは、新王妃グリムヒルデと小さな女の子がやってくるのに気がついた。女の子は、結婚式でドレスの裳裾もすそを持っていたあの子だ。参列者からは姫と言われていた。年の頃は6歳かそこらだろうか。どうも人間の子どもの年齢はわかりにくい。
     グリムヒルデは、幼い姫の手を引いて庭園の東屋あずまやをめざしているようだ。片手にはバスケットを下げている。
    「東屋についたらおやつを頂きましょうね」と、グリムヒルデは小さな姫に声をかけた。
    「はい、おかあしゃま!」と元気よく姫が答える。
     ディアヴァルには、その声や口調は、見た感じの年齢より少しばかり幼く感じられた。だがその幼さは姫をより愛らしく見せているとも思った。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第2部第3話
    後にクロウリーが学園長となるカラスのディアヴァルの物語、美しき女王編の第三話です。
    今回は王とグリムヒルデ(後の美しき女王)の結婚式のシーンです。
    本文約1450文字+カラス豆知識約740文字のおまけ付き。今回の豆知識はカラスがお互いを確認する方法「コンタクトコール」についてです(資料リンクあり)。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部三話「結婚式」 五月のよく晴れた朝、王城は晴ればれとした雰囲気に包まれていた。
     城のすべての尖塔に美しい三角旗がはためき、城門は春の花々を編み込んだ花綱で飾り立てられて開放されている。城門からは次々と来客が流れ込み、城はかつてない賑わいに沸き立っていた。
     今日は、この国の王が新たな王妃をめとる、その結婚の式典が催されるのだ。城の庭園は民草にも開放され、たくさんのご馳走と飲み物が振る舞われる。
     麗々しい式典のクライマックスは、正午の結婚の誓いだ。国の最も高位の聖職者がやってきて王と新たな王妃の誓いに立ち会い、この結婚に祝福を与えることになっている。
     その場には、もちろんディアヴァルも訪れていた。なにせ不吉とされてしまうカラスの身、あまりおおっぴらに姿を表すことはしなかったけれど、物陰から人々を観察し、ちらりとでもグリムヒルデの姿が見えないかと期待していたのだ。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第2部第2話
    今回はディアヴァルとグリムヒルデの間が近づいたいきさつについて書きました。
    ディアヴァルは第二部ではずっとカラスのままです。茨の魔女亡き今、魔法は使えず変身能力もない、グリムヒルデ(後の美しき女王)と会話もできない、ただ見守るしかできないカラスなのです。第二部の試みとして、徹底してディアヴァル視点で書いてみたいと思っています。(カラス小ネタあり。本文1644文字)
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部二話「ディアヴァルとグリムヒルデ」 ディアヴァルは、王を名乗る男が立ち去った後もグリムヒルデの家の回りにとどまって彼女を観察し続けた。
     うるわしい彼女の姿はいくらみても見飽きなかったし、留まったからと行って何か不都合があるわけでもなかった。そして何よりも、彼女を見ているだけで胸に湧き上がる喜びを感じていたかったのだ。
     彼は食べ物を探しに行く以外は彼女の家の庭にいて、彼女が出てきてくれないかな、と待ち続け、時々煙突にあがって中で声がしないか耳を澄ませてみたりもした。

     そんなある日、グリムヒルデが庭に出てきて井戸の水をんでいた。
     彼女はふと、手を止め井戸を覗き込むと、井戸端に咲いた花を一輪手に取ると、はらりと井戸の中に落とした。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第二部1.5話「出会い」後編
    構想が固まらず止まっていた二部ですが強引に再起動。試運転的に出会いシーンの続き、王とグリムヒルデ(後の美しき女王)の出会いを書きました。
    アニメ版「白雪姫」には無いシーンで「みんなが知らない白雪姫」の筋立てとも違っていますが書きやすい方向に進んでみます。最後にカラス(鳥類)の豆知識(異種族恋愛事情)付き。豆知識は恒例にしたいです☺(本文1327文字)
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部1.5話「王との出会い」(第一話前半はこちら⇨https://poipiku.com/3625622/6059932.html)


     大鴉おおがらすのディアヴァルは、美しい乙女の姿に見惚みほれていた。
     なんと美しい髪の毛。瞳も、顔も、何もかも完璧な美の化身としか思えない。いくらでも眺めていることができる。
     彼のこれまでの生涯で、こんな気持ちになるのは初めてのことだった。
     心臓がドキドキして胸が苦しく身体は熱くなって、クロウタドリの様に歌いたいような、ハヤブサの様に飛翔したくなるような、得も言われぬ心地がする。
     この奇妙な心地は何なのだろう。まるで何か魔法にでも掛かったみたいだ。そう思っているその時、乙女の家の門の前に立派な馬に乗った男が供を何人も連れて通りかかった。
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    shiraseee

    DONEちょっと怖い絵本のような、そんな世界観を目指してみたため、茨が可哀想なおはなし。
    茨が治めていた国の住人に追われています。色んな種族がいて、全てを統べる女王様。そこに悪意が渦巻いてしまった。
    女王を知らずのうちに救った、ひとりの王もいます。つまり凪茨。
    ※流血表現を薔薇でたとえています。あまり詳細ではないですがそういった表現があると踏まえていただけますと幸いです。苦手な方はご注意ください※
    薔薇でできた赤の女王様────────


    街を見下ろすようにそびえる城に住む、蛇のように鋭く冷たい赤の女王の体は薔薇でできていて、その体に流れるのは花びらの形を成す血液。
    その髪は咲き誇る紅の色で、その舌で紡がれる言葉は棘。
    しなやかながらも力強い立ち姿は、見るものを魅了してやまない美しいひと。
    でもそんな女王はだれにも愛してもらえないから、今にも枯れてしまいそう。
    その姿に魅了されたものは女王に心酔し、崇拝のこころを貰って生きていたけれど、悪辣ささえ美しかったけれど、怖くて強い女王からみんな離れていってしまった。
    女王はもうひとりぼっち。
    薔薇は、ひとりでは咲けません。
    肥料を、水を。愛情を与えてくれる人がいなければ、枯れてしまいます。
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    銀鳩堂

    PROGRESSヤンクロ第二部第1話「出会い」
    マレフィセントを喪ったディアヴァルは、放浪の旅の果てに後に「美しき女王」となる女性と出会い、恋に堕ちる。

    ※クロウリー学園長の過去話(捏造200%)第二部開幕!本パートのインスパイア元は小説「みんなが知らない白雪姫 なぜ女王は魔女になったか」。捏造設定多数を予定。何でも許せる人向け。
    ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部 第一話「出会い」 マレフィセントと共に過ごした十数年は、大鴉おおがらすのディアヴァルを何も知らない若者から賢くタフな大人のからすへと成長させていた。
     彼は、自分でも気づかぬうちにマレフィセントを深く愛していたが、その愛情は自分を救ってくれたあるじへの敬愛の念だった。
     だが、マレフィセントは絶望にむしばまれ、ドラゴンと化して討ち取られてしまった。主をうしなったディアヴァルは失意を胸に放浪の旅へと出たのだった……。





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     ある日、ディアヴァルが空を飛んでいると、目のすみにキラキラと美しく輝く光の群れが映った。
     ディアヴァルはからす族の例にもれず光り物に目がない。その光はとてもとても美しく、彼を強烈にきつけた。
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