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    既出

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    DONE风情
    原作軸 完結後
    「南方神官的故事」にかかわる話です。
    既出ぶん。(実際は五の途中まで公開していますが、都合上ここで切りました)

    はっきりしたネタバレはないと思いますが、なんとなく匂わせあります。妄想捏造もたくさんありますが、気になっても調べないでください…!
    海誓山盟《一〜四》一、花の婚礼

     謝憐と花城が婚礼を挙げた。
    その宴は鬼市で三日三晩続き、より煌びやかに仕立て上げられた千灯観へは何十人もの神官が祝辞を述べに来るという、極めて異様な事態にまでなっている。しかしそれも仕方ない、いまや仙京は、誰の掌の上に成り立っているのかということだ。
     慕情の隣に立つ風信の眉間には、いつもより深い皺が刻まれている。
     裴茗と霊文の――主に裴茗による長い長い祝辞がやっと終わると、紅い婚礼衣装を纏った謝憐が大きく手を振った。
    「慕情! 風信!」
     慕情がこんなふうに真紅を身に纏った謝憐を目にするのは二度目だ。婚礼衣装でそんなに大きく手を振るべきではないと嘆息したいところだが、あの時も屋根の上まで駆け上がり、大立ち回りをしたものだ。すこし違うところがあるとすれば、あれは明らかに女物の花嫁衣装であったのに対し、今日謝憐が着ているものは、花婿とも花嫁ともつかないもので。ただ、謝憐によく似合っている。そういったところだけは、血雨探花を評価せざるを得ないと慕情は思った。遠目にも仕立ての良さがわかるほどで、細かな金糸の刺繍も美しい。その袖口で、菊と梅の花の模様が揺れている。
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