春日望
あもり
DOODLEスケブss第二弾、「春日望美のあんまり楽しくない、苦しい、悲しいやつ」お題で書かせて頂いたものです。おっ得意分野だ任せて!となったんですが、思った以上に長くなってしまった…。そういう事もありますね。
ありがとうございました!
消えた傷、消せない記憶 それは白龍の逆鱗を手にしてから時空を遡り、京へと拠点を移した数日後の事だった。怨霊を鎮める為にムキになって前に出過ぎた為か、放たれた術を避け切ることができず左腕に直撃した。ひりつく痛みで体勢が崩れかけたが、同じく手にしていた右手の剣を咄嗟に杖の代わりに地面に刺して踏み止まり、その時は凌いだ。が、案の定、無事戦闘が終わってから全員に程度はあれど、怒られが発生したのは言うまでもない。
「望美、あまり無茶はしないでね」
しかし1番効いたのはこの、朔のやんわりと優しく嗜められる事だった。
「でも、私にしか出来ないことだし……頑張りたいなって」
「……そうね。そうね、だけれど」
「白龍の神子にしか出来ないことがあるのは事実よ。でも、それまでの事は私や皆も助けとなることが出来るわ。だから、頼ってくれていいのよ」
1345「望美、あまり無茶はしないでね」
しかし1番効いたのはこの、朔のやんわりと優しく嗜められる事だった。
「でも、私にしか出来ないことだし……頑張りたいなって」
「……そうね。そうね、だけれど」
「白龍の神子にしか出来ないことがあるのは事実よ。でも、それまでの事は私や皆も助けとなることが出来るわ。だから、頼ってくれていいのよ」
あもり
DOODLE先日のスパークで書かせてもらった、スケブss「春日望美でフェチに思うところ」です!考えてうーんこれは…陣羽織、フェチ!!!めっちゃ好きなんだよなぁ!!……うん?えっこれを…文字に?となり自分で笑いました。
この度はありがとうございました。
陣羽織 異世界である京に跳ばされてから、馴染みの制服からいつの間にかスカートを残して見たことがない奇妙な衣装となっていた。まだ着物はわかる。でも、その上に羽織っているコレは本当に何かわからなかった。
「それは陣羽織ね」
正体不明の何かを引っ張ったり揉んだり捻ったりしているところを部屋に入った朔に思いっきり見られたらしい。柔らかい笑い声と一緒に休みましょう、と飲み物を持ってきてくれた。うわぁ見られた恥ずかしい、とも思ったがそれよりも目先の好奇心が勝った。
「じんばおり」
「……って何、って顔ね」
「そんなに顔に出てる?」
「素直なのはいいことだと思うわ、私」
そうかなぁと思うが、朔の大人っぽい微笑み顔でそんなこと言われると、いいかもしれないと思ってしまう自分もいる。
575「それは陣羽織ね」
正体不明の何かを引っ張ったり揉んだり捻ったりしているところを部屋に入った朔に思いっきり見られたらしい。柔らかい笑い声と一緒に休みましょう、と飲み物を持ってきてくれた。うわぁ見られた恥ずかしい、とも思ったがそれよりも目先の好奇心が勝った。
「じんばおり」
「……って何、って顔ね」
「そんなに顔に出てる?」
「素直なのはいいことだと思うわ、私」
そうかなぁと思うが、朔の大人っぽい微笑み顔でそんなこと言われると、いいかもしれないと思ってしまう自分もいる。
あもり
DONE11/23 スパークにて会場無配コピー本として頒布した、遙か3小話です。遙か3本編前の八葉それぞれの情景や場面を映した,まさに小話集です。
カップリング要素なし。オールキャラものです。
当日お手に取っていただいた方、本当にありがとうございました。
※「春日望美の有在」通販購入に限り、こちらの現物をお付けしています。
それぞれの前夜「朔殿は大丈夫ですか、景時」
陣幕から一人出てきた景時に向かって声をかけると、思ったよりも肩の力を抜けさせてこちらに歩み寄ってきた。
「うん、もう大丈夫。あとは寝て回復するしかないだろうからね」
「……無茶をさせてしまったな」
「白龍の神子がいればまた違ってくるんでしょうが」
「白龍の神子、か」
「おや九郎。その声は信じていませんね」
「そういうわけではないが……、俺はこの目で見るものでしか、判断できないだけだ」
弁慶がからかうように声をかければ、九郎はやや眉を寄せた表情を浮かべる。嘘をつくことを知らないまっすぐな源氏の総大将は、自分の感情にも素直であった。
「九郎らしいね~」
「なんだと」
褒めているのになあ、と景時は苦笑しながら、あつらえられた席に座る。弁慶は三人そろった卓に持ち出してきた書を広げる。これからの京への進め方、そして、景時と弁慶はお互い言わないがー実践として初めて源氏軍に加わった、自分たちの下にいる黒龍の神子のことを嫌でも意識せざるをえなかった。
2065陣幕から一人出てきた景時に向かって声をかけると、思ったよりも肩の力を抜けさせてこちらに歩み寄ってきた。
「うん、もう大丈夫。あとは寝て回復するしかないだろうからね」
「……無茶をさせてしまったな」
「白龍の神子がいればまた違ってくるんでしょうが」
「白龍の神子、か」
「おや九郎。その声は信じていませんね」
「そういうわけではないが……、俺はこの目で見るものでしか、判断できないだけだ」
弁慶がからかうように声をかければ、九郎はやや眉を寄せた表情を浮かべる。嘘をつくことを知らないまっすぐな源氏の総大将は、自分の感情にも素直であった。
「九郎らしいね~」
「なんだと」
褒めているのになあ、と景時は苦笑しながら、あつらえられた席に座る。弁慶は三人そろった卓に持ち出してきた書を広げる。これからの京への進め方、そして、景時と弁慶はお互い言わないがー実践として初めて源氏軍に加わった、自分たちの下にいる黒龍の神子のことを嫌でも意識せざるをえなかった。
あもり
DONE遙かWebオンリーおめでとうございます!めで鯛ものを…と思ったら直近で読んでた機龍警察未亡旅団にめちゃくちゃにされたので、選ばれし神子様向けになりました。
遙か3 です。カップリング色なし。
春日望美、モブ、怨霊ズ、九郎さん、朔と白龍と譲くんです。
※本編では明言されてませんが、個人的には望美は人を斬っているだろうな前提の話です。よろしくお願いします。人が死にます。
選ぶということ、選ばないということ 桜の花がゆらりと視界をよぎった。異世界の京で迎える何度目かの春の風景は、いつ見ても綺麗だ。頼まれた届け物を届け終えて、望美はひとり京の街を歩いていた。
今回の旅の始まりは、まずまずの滑り出しだと思うと足取りも軽かった。流れで行くと、今日はまだ何も起きない日で、大きく事態が動くのにはもう少し猶予がある。けれど繰り返し時空を渡っているからといって、望美もすべてを把握しているわけではない。例えば、今の状態がそうだ。先ほどまで一緒に届け物についてきてくれた譲くんは、師匠に呼ばれている。いつもは私を送ってから師匠の所に向かっていたけれど、ふと思ってしまった。
ーここの選択を変えたら、どうなるんだろう。大局が変わる所ではないかもしれないけれど、もしかしたら新しい未来が見れるかもしれない。例えば、誰かと出会えるとか、みんなが喜ぶ情報が見つかるとか。
4376今回の旅の始まりは、まずまずの滑り出しだと思うと足取りも軽かった。流れで行くと、今日はまだ何も起きない日で、大きく事態が動くのにはもう少し猶予がある。けれど繰り返し時空を渡っているからといって、望美もすべてを把握しているわけではない。例えば、今の状態がそうだ。先ほどまで一緒に届け物についてきてくれた譲くんは、師匠に呼ばれている。いつもは私を送ってから師匠の所に向かっていたけれど、ふと思ってしまった。
ーここの選択を変えたら、どうなるんだろう。大局が変わる所ではないかもしれないけれど、もしかしたら新しい未来が見れるかもしれない。例えば、誰かと出会えるとか、みんなが喜ぶ情報が見つかるとか。