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    木曜日

    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ、第四話。クリスマス休暇を目前にした木曜日の夜、ビョルンはつらい過去の夢にうなされる。泣き叫んでいた彼は、仕事から帰宅したばかりのルカに起こされるが……。
    ふたりの距離が、一気に縮まります。このシリーズは、次回で一旦ひと区切りの予定。
    Unknown Legend(4) その兆しは夜の眠りのさなか、ひたひたと忍び寄る。
     浅い眠りの瀬をたゆたいながら、その気配を察知し、ビョルンは焦る。早く夢など必要としないほどに熟睡しなければ、と。しかし次の瞬間、真っ黒な泥に巻かれて、深みへとひきずり込まれる。そうなってしまったが最後、自分の意思ではどうにもならない。悪夢のるつぼで泣き叫び、目覚めるまでもがき続けるしかないのだ。
     ――なんで……この夢なんだ。
     おかしなことに、自分で判っている。これは夢なのだと。しかしそこから抜け出せない以上、判っていてもなんの得にもならない。しかもよりによって、ビョルンがもっとも見たくない夢だった。あの日と同じように泣きながら、日の落ちたテムズ川の南岸をめちゃくちゃに走り回り、道ゆく大人たちの姿を必死に目で追う。けれどもビョルンが求めてやまぬ背中は、どこにも見当たらない。
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