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    東京駅

    yo_lu26

    MENU過去作③『シャッフルオクタ2』2023年10月07日 22:00 〜 10月09日 22:00展示作品

    スイスイウェア……。本当真夏の恋人達に祝福あれ……。東京駅に住みたかったです。
    サマーライト・レモネード「ほら、フロイド。はやくこちらへ」
     木陰の下でアズールが呼んでいる。フロイドははやく陽の光の元へと飛び出していきたくて、わざと聞こえないふりをした。だって、とっくに他のメンバーは楽しげな催しに駆けて行ってしまったし、目の前の海にはイルカが泳いでいる。服だって新しくて気に入ったデザインのものを着ているし、はやく、はやく、と気が急いた。フロイドの視線の先は海と、陽気な音楽と、鮮やかで美味しそうな果物達を映している。アズールはこういう雰囲気はあまり好まないのか、なんとなく一番最後まで荷物置き場に残っているタイプだった。もちろん、商売や利害関係が絡んでいない時に限るけれど。
    「フロイド」
     もう一度、今度は低い声で名前を呼ばれた。しかも、片腕はがっちりと掴まれている。逃がさない、と空色の双眸がフロイドを捕える。アズールがいるところは、一段と暗い。くっきりと落ちる木の影が温度を下げてくれて、風が吹くととても涼しい。暗い影の中でも、アズールの銀髪はわずかな木漏れ日を弾いて、揺れるたびに柔らかく光った。
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