スペース用メモ(リスナー用)1、路地裏の奥には秘密が仕舞い込まれている。
2、秘密を食らって商売をするやり手の銀髪の男が営む、薄暗い路地の突き当たりにあるその店は、裏の界隈では密かに有名だった。対価を払いさえすれば、どんな望みも叶えてくれるのだという。
3、人に言えない、後ろ暗い事情を抱える人々が最後に縋りつく場所。
そんな噂を聞きつけて、今日もまた客がその店を訪れる。」
4、ガタガタバタン!と乱暴に扉が開かれる。途端に店内に充満していた芳しい香の匂いが立ち込めたが、客の男はそんなもてなしに気づく余裕はないようだった。
「……っ、はぁっはぁっ……! 頼む、助けてくれ! 追われてるんだ!」
ぱくぱくと口を動かして喘ぐようにその客は言った。服装は乱れ、顔は汚れ、まるで血溜まりを駆け抜けてきたかのように裾が血で汚れている。
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