燭台切光忠
albatrosstale11
MOURNING燭→(←)さに。燭台切光忠がかっこよすぎて顔がまっすぐ見られない女審神者と燭台切光忠とさや取りする話
お題「眼鏡」「みっちゃん、これ掛けてみて」
縁側で、夕飯の莢豌豆のへた取りをしているときに、主に黒縁の眼鏡を渡された。言われた通りに掛けてみる。すこし重い。
すると正面から、彼女が僕の顔を覗き込んだ。が、すぐに、顔を反らしてしまった。彼女は隣にうずくまるように腰を下ろす。
「あー、だめだ。ありがと、はずしていいよ」
「……これ、どうしたの? なにかの実験、かな」
横で顔を紅くしている彼女に、つい笑みが漏れる。
「私のお父さん、眼鏡かけてたの」
「お父さんが?」
「そう。眼鏡かけてるひとに親しみがあるから、これかけてたらみっちゃんの顔、まっすぐ見られるかなっておもったんだけど……」
どうやら、その目論見は希望的観測だったようだ。ちらりと彼女を見やると、うなだれていた。そのうなじまで、紅く染まっている。
1024縁側で、夕飯の莢豌豆のへた取りをしているときに、主に黒縁の眼鏡を渡された。言われた通りに掛けてみる。すこし重い。
すると正面から、彼女が僕の顔を覗き込んだ。が、すぐに、顔を反らしてしまった。彼女は隣にうずくまるように腰を下ろす。
「あー、だめだ。ありがと、はずしていいよ」
「……これ、どうしたの? なにかの実験、かな」
横で顔を紅くしている彼女に、つい笑みが漏れる。
「私のお父さん、眼鏡かけてたの」
「お父さんが?」
「そう。眼鏡かけてるひとに親しみがあるから、これかけてたらみっちゃんの顔、まっすぐ見られるかなっておもったんだけど……」
どうやら、その目論見は希望的観測だったようだ。ちらりと彼女を見やると、うなだれていた。そのうなじまで、紅く染まっている。