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    背中

    saku2442

    DOODLE高校生荒新
    荒北さんの背中の引っ掻き傷を見てはてなマークを浮かべていた新開さんが、付けたのは自分だと気づいていたたまれない気分になっちゃうお話。
     放課後、いつもの部室。周りにはいつものメンバー。慣れたヤツらの前で着替えることに、いまさら抵抗はまったくない。もちろん他のヤツの着替えが気になる、なんてことはあるわけもなく。つまり視線がそこへ向いたのはたまたまだった。Tシャツを脱いだ靖友が、バッグの中のジャージを探している後ろ姿。その背中にうっすら付いている赤い痕。細く長いそれは、猫にでも引っ掻かれたみたいになっている。
     転んだにしてはおかしな場所。というか、転んだなら痣や擦り傷のようになるはず。コーナギリギリを攻める靖友が、肩に傷を作っていることはよくある。でもあれはそういう類のものじゃない。もしかして猫に背中から襲われた? にしても片方ならわかるけど、左右に付くって絶対変だ。もしかして本当に誰かに引っ掻かれた? あんなところを。いや、その前に服の上から引っ掻いて見てわかるほどの痕は残らないだろ。なら裸の時? 風呂場で? それこそ誰にだよ。だいたい、あれは後ろから付けられた傷じゃない。こう、抱きつかれて爪を立てられって感じで……。そこまで考えて、昨夜のことが急に思い出された。
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    真砂長文倉庫

    DONE某さんの誕生日プレゼントとして献上しました。背中を押して頂いたのでこちらでも。

    以下捏造設定注意。
    王子(旧弓場隊)は加賀美ちゃんより入隊が早いと推定。(入隊順・成績順)ニノ達とほぼ同期かと。
    鈴鳴第一は来馬先輩入隊が原作開始一年位前なので、来馬隊結成並びに王子と鋼が仲良くなるのはその後かと思います。
    鳩原事件の前だと平和なので、原作開始半年程前(4月下旬・王子高校三年生)をイメージしています。
    ペットと蔵王 「Jealousy Jellyfish」「ペットを飼い始めたんだけど、見に来るかい?」
    聞き慣れたトーンにも関わらず、蔵内は二度、瞬いた。
    二人、作戦室で過去ログを見ていた時のことである。王子隊がB級中位から上位へと、どうにか挑めるようになったばかりの四月の穏やかな日の午後だった。
    「……突然だな」
    常より更に固まった表情を、チェシャ猫の如く笑んで見返す王子が声音を弾ませる。
    「ぼくが突発的に言い出すことなんて、今に始まったことじゃないだろう?」
    その最たるものは、弓場隊を抜けて自隊を立ち上げる宣言をした時だ。あの時も「明日の天気は晴れだね」くらいの気軽さで爆弾宣言をした王子である。ほろ苦くも愛おしい当時を思い出し、蔵内の厚めの唇が綻んだ。
    「それもそうだな。で、何を飼い始めたんだ?」
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