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    百合菜

    DONEアンジェリーク・ジュリリモ
    「抑えていた想いは宇宙の危機を招き」

    ジュリアスのもとに入ってきた報告、それは「女王陛下が倒れた」というものだった。
    女王候補生時代、互いに好意を持っている自覚はあった。そして、お互い、宇宙を優先するがゆえ、その想いは殺した。
    しかし、それがあだとなり!?

    ※再録です


    「陛下の様子はどうだ」

    ドアを開けると同時に光の守護聖・ジュリアスはベッドの横にいるロザリアに尋ねる。

    「特に異常はありませんわ」
    「そうか」

    そう言いながらジュリアスはベッドに視線を向ける。
    ベッドには女王であるアンジェリークが瞼を閉じて眠りについている。
    ジュリアスがその知らせを受けたのは3日前のことであった。
    いつものように執務室でオスカーと打ち合わせをしていると、慌てた様子で使いのものがやってきた。

    「光の守護聖・ジュリアス様、大変です。陛下のご様子が!!」

    聞くところによると、執務の最中にアンジェリークは意識を失ったらしい。
    急遽、医者の診察を受けたが、特に異常は見当たらないとのこと。
    「もしかすると、何かを拒絶している可能性もないでしょうか」
    医者のその言葉が気になりつつも、特に大きく容態が変化することもなく、3日が過ぎていった。
    いつも見せる碧の瞳。
    それが瞼の下に隠されていることにジュリアスは心当たりがある。
    だからこそ、この状況が歯がゆい。

    「ロザリア、そなたも看病に疲れているであろう。ここは私が見ているから、少し休むといい」
    「よろしいのですか?」 7657