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    隣人

    Tonya

    MOURNING「迷惑な隣人」
    APH フェリクス

    昔書いた微ホラー
    何年くらい前かな。仕事の都合で地方の支部へ半年間異動することになって、引っ越ししたときの話。
    そんとき入居したのは七階建てマンションの角部屋。すぐ真横にもう一つ大きなビルが並んでて、頑張って通路の突き当たりの柵を越えれば、映画みたく向こうに渡れそうなくらいだった。
    メトロが近くて交通の便もいいし、食料品店が歩きで行ける距離にあってなかなかいい立地条件だったし。部屋も広くて、暇ができたらトーリス呼ぼかなとか思ってた。
    とはいえ、引っ越してしばらくは引き継ぎだの何だのと忙しくて、夜遅くにやっと解放されたらすぐ帰宅してベッドに転がり込むような日々だったんだけど。



    問題が起こりはじめたのは、引っ越しからひと月くらい経って、異動のゴタゴタもひとまず落ち着いた頃。
    夜も更けてきて、そろそろ寝る準備しよかなと思ってたら、玄関からガチャッとドアノブを回す音がしたんよ。
    様子を見に玄関へ行くと、俺がドアスコープを覗くのと入れ違いに、外からバタンって扉の閉まる音がした。そんときは、ああ他の住人が部屋を間違えたんだなって程度にしか考えなかった。
    でも、それからほぼ毎晩、それは起こるようになった。夜中に 3712