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    2015年

    アイム

    PAST雰囲気の暗い鶴獅子。by2015年。拝啓、じっちゃん。
    お元気ですか。俺は少し元気です。
    この間、今の主から人間は死んだら天国か地獄に行くのだと教えてもらいました。だからじっちゃんは天国にいるんだと俺は思っています。
    そっちは楽しいですか。淋しくないですか。俺がいなくて淋しいといいな、と俺は願っています。

    どうして突然こんな手紙を書き始めたのかというと、なんと俺は先日、鶴丸国永という同じ刀の一人から、愛の告白を受けました。
    鶴丸は他人を驚かせることが好きな人で、今まで何度もからかわれて遊ばれたことがあったから、だから俺はいつもの冗談だと思ったんだけど、どうやら冗談ではなくて本当だったらしい。
    あれは真夜中のことで、俺がふと目を覚ましたら隣の布団で寝ているはずの鶴丸が起きていて、眠れないと言うので、気分転換に少し散歩に誘って外へ出たら、その時に言われました。
    鶴丸は、夏の風みたいな爽やかで軽やかな声をしていて、俺はそれをすごく気に入っているんだけど、この時は初めて聞く抑揚の無い声で『獅子王は、ずるい』と俺に言いました。

    実は、俺は誰かからじっちゃんのことを聞かれるのがどうしても嫌なので、俺も誰かに前の主の話を聞こうとは 2810

    k_ikemori

    MOURNING2015年に書き始めて放置してた景望ログを見つけました。タイトルは「まつり」ってあるのでたぶんこれから一緒にお祭りに行きましょうという話にしたかったハズ…。お祭りすら始まっていなかった…。供養供養。書簡を届けに行く道すがら、景時は馬の背から空を仰ぎ見る。
    澄んだ青空に幾つか雲が浮かび、夏らしい強い日差しが地上を照らし付ける。
    「いい天気だなぁ…」
    そう呟き、景時は暫くぶりにある休みを早々に奪取する為、馬の腹を軽く蹴って駆け出した。

    「朔ー? 朔ぅ?」
    彼女たちに宛がわれている部屋へ赴き、ひょいと覗き込む。
    連日動き回っている神子はいないだろうとあたりを付けてはきたが、妹である朔の姿がそこに無く、景時ははてと首を傾げた。
    「どこ行っちゃったのかなぁ…」
    けれど、館の外には出て行ってないようで先程まで裁縫でもしていたのか、しっかり者の妹にしては珍しく片付けもせずそのまま放置されていた。
    その時パタパタと軽やかな足音と共に咎める声が掛かる。
    「兄上! 女人の部屋を勝手に覗くなど、恥ずかしい事なさらないで下さいまし」
    「ああっ、ごめんごめん。朔いるかなぁって思ったし、戸も開いていたし…」
    妹の厳しい物言いに景時は肩を落とす。
    「もし着替えている途中だったらどうするのです」
    「いや、もう陽も高いしそれもないかなぁ…って」
    「例え話です」
    「ア、…ハイ。すみません」
    朔は大きく溜息を零すと 6990