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    6月25日

    toyanntn

    DOODLE6月25日ジュンブラのペーパー小話です!
    ※アズリア独自設定あります
    ※ハートが飛んでます!(でもなにもしてないよ!)
    梅雨時のレクアズがちゅーする話遠雷の音がしていた。
    雨季に入った島では、突然大きな雷鳴と共に雨雲が立ち込めて、粒の大きな雨を降らすことは珍しくない。青空学校と銘打った野外での授業も、この時期は雨風をしのげる集会所でおこなうようにされていた。
    島育ちの子ども達は激しい雷の音も慣れたもので、バリバリと派手に響くのを聞いては感想を言い合ったりしている。イスラもはじめこそ身体に振動が伝わるくらいの雷鳴に驚いてビクビクとレックスにしがみついていたが、頑丈な建物の中にいれば心配はないのだと教えられてからは光と音の秒差を数えるくらいには余裕をもって激しい雷雨の時間を過ごすようになっていった。

    慣れていないのは、彼女だけ。
    帝国本土や海上訓練などで雷雨を迎えたことはあるはずだが、いつまで経っても鳴り響く雷の轟音にビクッと身体を震わせていた。天から降り注ぎ地面を走るそれに、悲鳴を上げて取り乱したりはしないものの。いつも凛々しく煌めいている瞳が、心細げに伏せられているのはかわいそうに思う。だから。
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    朧気(おぼろげ)

    INFO笙主♂「勘弁してくれ!!」アンソロジーにイラストで参加しました。

    こちらの笙主文は寄稿イラストを描くさいのイメージとして書いたものになります(プロットみたいな感じ)
    フォロワー様に文章の一部を校正していただきました。ご協力ありがとうございました!

    笙主♂「勘弁してくれ!!」アンソロジー本は、6月25日に開催されるカリギュラwebオンリーイベント『理想に手向けの花束を2』にて頒布されます。

    .
    過去の孤独、今そこにある希望(笙主♂)放課後、一緒に帰ろうと部長からWIREが来た。
    珍しいと訝しむが嬉しく感じるのは誤魔化せず、教室で待つことにする。
    手持ち無沙汰なので窓を見やる。

    ふと、現実の自分を思い出す。
    昼間でもカーテンを閉め切った薄暗い部屋の中で縮こまるように座っている自分は、過去の罪に囚われて曇った虚ろな目で仕方なく、その日その日を生きている。

    もう逃げないで[[rb:現実 > 地獄]]を生きると決めた。その決意を捨てるつもりなどない。しかしどうしても、不安と少しの罪悪感を捨てられない。

    自分は本当に[[rb:現実 > 地獄]]を生きていけるのか。見殺しにした一凛を置いて前を向いて良いのか……。

    「笙悟」

    聞き慣れた声によって暗い思考の底から引き上げられた。
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