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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。御前試合の後、隠し刀が諭吉に髪を整えてもらうお話です。諭吉の断髪式に立ち会いたかった……!どうしてなんだ、諭吉!
    >前作:探り合い
    https://poipiku.com/271957/11594741.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    枝を惜しむ もう朝である。障子を通り過ぎた陽の光に瞼をぴくりと動かすと、諭吉はうっすらと浮かび上がっていた意識を完全に現実へと上陸させた。つい先ごろうたた寝をしながら書物を読んでいたつもりが、いつの間にやら轟沈してしまったらしい。やるべきことは山積していると言うのに、ままならぬものである。光陰矢の如しというが、このところは本当に年中時間が勝手に体を通り抜けていっているような気がしている。国全体が大きなうねりの中にあって、置いていかれぬためには必死で鮪のように泳ぎ続けねばならない。
     無意識のままに簡単に身支度を整え、ここが勝海舟の邸だということを再認する。要するに仕事で一日を食い潰したのだろう。どこを向いても自分くらいしかできないだろうという未来が転がっているので、少しも気の休まる日がない。顔を洗ってもしっくりしないので、朝食を終えたら(もちろん太っ腹な勝であれば出してくれるに決まっている)朝湯に行って仕切り直しを図ろうか。鏡を見て、自分の髪を整え直し――諭吉は鏡の端に写った相手に会釈した。
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    anri_maho

    DONE5/4スパコミ『賢者の超マナスポット2025』で配布した無配です。
    アクスイブラネロの、私はブラッドリー視点を担当しております✨
    ティカ様に、ネリーの正体の探りをいれる話です。
    一緒に合同誌をした葵さんのお話とリンクしているので、そちらもご覧いただければ嬉しいです☺️
    葵さんのアクスイ↓
    https://poipiku.com/3192399/11688424.html
    【5/4スパコミ無配】アクスイ(ブラッドリー視点) 約束の時間にそいつは現れなかった。すっぽかされたのかと思いきや、「ごめんね。少し迷ってしまって、もうすぐ着くよ」とメッセージが入っていた。そしてもうすぐ着くとあったのに件の男、ラスティカが到着したのは待ち合わせの三十分後だった。
    「ごめんね。待たせてしまったかな?」
    「先にやってたから、気にしなくていい」
     テーブルには、すでに俺が勝手に注文したシュニッツェルなどが並んでいる。店員を呼び、俺は二杯目、ラスティカは一杯目の酒を注文した。店員が静かに扉の向こうに消えていく。
     完全個室のイタリアンだ。店員たちも、こちらが芸能人とわかっていても騒いだりしない。口の固い店員しか採用されないのだろう。ここは、そういう店だ。俺はまだわずかに残ったビールを煽った。
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