Leopard
雪ノ下
MEMO2021.06.08『おいしくたべて』再録「LOVER」ジャケ写考察。自己解釈強
Main:RUBIA Leopard
『おいしくたべて』「物騒だよなぁ……」
「なにが?」
新曲ジャケットの色校を見返しながら呟くと、すかさず隣から反応が返ってくる。アカネがスマホから顔を上げると同時に"Are you ready ?"とカウントダウンを告げるツイートがタイムラインに流れた。
本日最後の仕事を終えたのが二時間前。メンバー揃ってアカネ・クロノ宅に到着したのが一時間前。そして"今からジャケット公開するわ"と言い出したのが数分前のことだ。
いつもの事とはいえあまりに唐突な発言に目が点になったが、やると言い出したら聞かないのが王様だ。サプライズと焦らしはルビレ(主にアカネ)の十八番ということもあり、問題ないだろうと最終的には全員が頷いた。もちろん敏腕マネージャーの許可もとってある。若干呆れられはしたが。
2273「なにが?」
新曲ジャケットの色校を見返しながら呟くと、すかさず隣から反応が返ってくる。アカネがスマホから顔を上げると同時に"Are you ready ?"とカウントダウンを告げるツイートがタイムラインに流れた。
本日最後の仕事を終えたのが二時間前。メンバー揃ってアカネ・クロノ宅に到着したのが一時間前。そして"今からジャケット公開するわ"と言い出したのが数分前のことだ。
いつもの事とはいえあまりに唐突な発言に目が点になったが、やると言い出したら聞かないのが王様だ。サプライズと焦らしはルビレ(主にアカネ)の十八番ということもあり、問題ないだろうと最終的には全員が頷いた。もちろん敏腕マネージャーの許可もとってある。若干呆れられはしたが。
雪ノ下
MEMO2021.11.12『Halloween-like Halloween』再録 お題「仮装・コスプレ」Main:RUBIA Leopard
『Halloween-like Halloween』「アカネー、ちょっといい?」
肩を叩かれ振り向くと、頭に勢いよく何かが被せられた。
反動でぐらりと視界が揺れていきなりなんだと顔を顰めるも、当人のマシロはあーでもないこーでもないと唸るばかりでこちらの事など一切お構いなし。仕方なく手で触れて確認してみるものの、感触だけではさっぱりわからず……鏡で見るのが一番手っ取り早いのだが、残念ながら周囲には見当たらなかった。
この大型マーケットに訪れるのは今回で二度目になる。前回はクロノと二人きり。今日はルビレ揃って。マネージャーも誘う予定だったが恒常的に忙しい人だし、全員で行くと言ったら心労で卒倒するかもしれない。今度声をかける時は入念に準備を整えておかなければ。いっそ貸し切りにしてしまおうか。
3073肩を叩かれ振り向くと、頭に勢いよく何かが被せられた。
反動でぐらりと視界が揺れていきなりなんだと顔を顰めるも、当人のマシロはあーでもないこーでもないと唸るばかりでこちらの事など一切お構いなし。仕方なく手で触れて確認してみるものの、感触だけではさっぱりわからず……鏡で見るのが一番手っ取り早いのだが、残念ながら周囲には見当たらなかった。
この大型マーケットに訪れるのは今回で二度目になる。前回はクロノと二人きり。今日はルビレ揃って。マネージャーも誘う予定だったが恒常的に忙しい人だし、全員で行くと言ったら心労で卒倒するかもしれない。今度声をかける時は入念に準備を整えておかなければ。いっそ貸し切りにしてしまおうか。
雪ノ下
MEMO2021.12.21『Q.酢豚にパイナップル。アリ?ナシ?』再録帝さんから大量のパイナップルが送られてくる話
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『Q.酢豚にパイナップル。アリ?ナシ?』「……なにコレ」
明日にオフを控えた夜、仕事終わりにアカネとクロノから揃って「この後うちに来てほしい」と声をかけられた。時間があるときに自ら赴くことはあっても家主である二人から直接来てほしいと頼まれるのはかなり稀なケースだ。現在取り掛かっている新曲のことか、はたまたバンドの方向性に関わることか……ともかく何か大事なことに違いない。ただならぬ気配を感じつつ、マシロとハイジは二つ返事で了承した……のが、今からおよそ三十分前の出来事である。
「なんなのコレ」
「パイナップル」
「それは見りゃわかるっつーの!」
家に上がってすぐに一階の最奥にある部屋に通された。確か普段はゲストルームとして使用されている場所だ。てっきり話し合いのためにリビングルームに直行するものと思っていたマシロとハイジは首を傾げたが、室内の異様な光景を目にしてすぐに納得した。
3219明日にオフを控えた夜、仕事終わりにアカネとクロノから揃って「この後うちに来てほしい」と声をかけられた。時間があるときに自ら赴くことはあっても家主である二人から直接来てほしいと頼まれるのはかなり稀なケースだ。現在取り掛かっている新曲のことか、はたまたバンドの方向性に関わることか……ともかく何か大事なことに違いない。ただならぬ気配を感じつつ、マシロとハイジは二つ返事で了承した……のが、今からおよそ三十分前の出来事である。
「なんなのコレ」
「パイナップル」
「それは見りゃわかるっつーの!」
家に上がってすぐに一階の最奥にある部屋に通された。確か普段はゲストルームとして使用されている場所だ。てっきり話し合いのためにリビングルームに直行するものと思っていたマシロとハイジは首を傾げたが、室内の異様な光景を目にしてすぐに納得した。
雪ノ下
MEMO2022.07.26『お遊び的SS』再録10割会話。アカネがハイジをおぶる話
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『お遊び的SS』「……なにしてんの」
「ハイジおぶってる」
「それは見りゃわかるっつの」
「だったら聞くな」
「いや聞くでしょ!」
「こら、騒がしいぞ。廊下まで声が聞こえた」
「待ってがんちゃん俺のせいじゃない。見て」
「……なにやってんだお前ら」
「ちょっとハイジをおぶってみようかと」
「危ないだろ。おろせ」
「絶対落とさねーって」
「まったく……何がどうしてこうなったんだ」
「前にハイジが熱だした時おぶりそこねたから」
「はぁ?」
「あー……ナルホド。そういうことか」
「そういうこと」
「待て。俺にもわかるように説明しろ」
-説明中-
「だからって本当にするやつがあるか」
「やったらいけたから」
「軽いの?」
1112「ハイジおぶってる」
「それは見りゃわかるっつの」
「だったら聞くな」
「いや聞くでしょ!」
「こら、騒がしいぞ。廊下まで声が聞こえた」
「待ってがんちゃん俺のせいじゃない。見て」
「……なにやってんだお前ら」
「ちょっとハイジをおぶってみようかと」
「危ないだろ。おろせ」
「絶対落とさねーって」
「まったく……何がどうしてこうなったんだ」
「前にハイジが熱だした時おぶりそこねたから」
「はぁ?」
「あー……ナルホド。そういうことか」
「そういうこと」
「待て。俺にもわかるように説明しろ」
-説明中-
「だからって本当にするやつがあるか」
「やったらいけたから」
「軽いの?」
雪ノ下
MEMO2022.10.18『橙黄を纏う』再録クロノと香水
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『橙黄を纏う』「なぁ。クロノって香水変えた?」
スタジオに入るなりそう尋ねられて、暫く思考を巡らせたアカネはさぁと首を傾げた。
「まだ会ってねーんだよ」
「……あぁ。昨日帰ってないのね」
「そ。出先から直行」
「やーい朝帰り」
「誤解うむような言い方やめろ」
もはや日常のテンプレと化したマシロの揶揄を軽く受け流してソファに腰かける。一息ついたところで、先程のワードに再び意識を戻した。
はて。"クロノと香水"とは、なんとも珍しい組み合わせだ。
「で、なんで香水?」
「いつもと違うっつか……すげー甘い匂いする」
「マジ?珍し」
そもクロノが香りを纏っていること自体日常的とは言い難い。
元々そういう類にあまり興味がないらしく、時折ふっている香水もアカネが購入した際にサンプルとして貰ったものだ。新しいのを買ってやると言っても首を横に振るばかりで、なくなったタイミングで贈ろうと画策してはいるものの、つけない日もしばしばあるから一向に減る気配がない。
2120スタジオに入るなりそう尋ねられて、暫く思考を巡らせたアカネはさぁと首を傾げた。
「まだ会ってねーんだよ」
「……あぁ。昨日帰ってないのね」
「そ。出先から直行」
「やーい朝帰り」
「誤解うむような言い方やめろ」
もはや日常のテンプレと化したマシロの揶揄を軽く受け流してソファに腰かける。一息ついたところで、先程のワードに再び意識を戻した。
はて。"クロノと香水"とは、なんとも珍しい組み合わせだ。
「で、なんで香水?」
「いつもと違うっつか……すげー甘い匂いする」
「マジ?珍し」
そもクロノが香りを纏っていること自体日常的とは言い難い。
元々そういう類にあまり興味がないらしく、時折ふっている香水もアカネが購入した際にサンプルとして貰ったものだ。新しいのを買ってやると言っても首を横に振るばかりで、なくなったタイミングで贈ろうと画策してはいるものの、つけない日もしばしばあるから一向に減る気配がない。
雪ノ下
MEMO2023.01.17『blank space』再録※時間軸Never end
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『blank space』ピンポーン
来訪者を知らせるチャイムの音にモニターを確認すると、"さっさといれてよ"と言わんばかりにこちらを覗き込む見慣れた綿毛が目に入った。勿論これはあだ名……とまでもいかない今浮かんだばかりの仮名だが、我ながら結構いい例えだと思う。
「また来たのか」
「お腹すいたーあけてー」
「うちは食堂じゃないと何度言えば……」
「んな固いこと言わずに!ね?クロノおにーちゃん」
「切るぞ」
揶揄を含んだ声音に若干の苛立ちを覚えて突っぱねるとマシロの態度は一転、低姿勢なものに変わった。日によって会話の内容が異なるとはいえこれに似たやり取りをもう何度も繰り返している。マシロの軽口など挨拶のようなものだ。いい加減流せるようになれと思うものの、コイツ相手にすんなり首を振るのはどうにも癪に障るというか……
2162来訪者を知らせるチャイムの音にモニターを確認すると、"さっさといれてよ"と言わんばかりにこちらを覗き込む見慣れた綿毛が目に入った。勿論これはあだ名……とまでもいかない今浮かんだばかりの仮名だが、我ながら結構いい例えだと思う。
「また来たのか」
「お腹すいたーあけてー」
「うちは食堂じゃないと何度言えば……」
「んな固いこと言わずに!ね?クロノおにーちゃん」
「切るぞ」
揶揄を含んだ声音に若干の苛立ちを覚えて突っぱねるとマシロの態度は一転、低姿勢なものに変わった。日によって会話の内容が異なるとはいえこれに似たやり取りをもう何度も繰り返している。マシロの軽口など挨拶のようなものだ。いい加減流せるようになれと思うものの、コイツ相手にすんなり首を振るのはどうにも癪に障るというか……