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    konkon12165

    DOODLE8/31の迷宮探訪お疲れ様でした。これはPixivで公開中の白雪と紅椿(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24718275)の番外的小話です。楽しんでいただければ幸いです
    白雪と紅椿 小話 紅炎は白雄から頼まれた文を届けるお使いの帰りにてくてくと目抜き通りを歩いていた。というのも白雄から何か欲しいものを見つけなさいと課題を与えられたからだ。紅炎が毎月のように貰った給金をそっくりそのまま弟たちに渡してしまい、自分では少しも使おうとしないので、とうとう白雄は弟たちの生活は俺が守るからお前はもっと自分のことを大切にしなさいと言ったのである。そこまでしてもらうのは流石に申し訳がないと思ったが、弟たちに聞いてみれば、もう随分前から白雄の使いが食料を持ってきたり家事をしたりで面倒を見てくれていたらしい。紅炎が気にするといけないからと口止めされていたのだという。
     そういう経緯があり、紅炎はより一層白雄への忠心と敬愛を深め、言われた通り欲しいものを見つけるためにこうして目抜き通りを歩いていた。目抜き通りはこの都でも指折りの有名店が軒を連ねているだけあり、金さえあればここで手に入らぬものはないと言われているほどだ。今でこそ白雄の使いで目抜き通りの店に来ることが多いので歩き慣れているが、そうでもなければ都外れの長屋暮らしの紅炎には生涯縁のない場所だっただろう。物珍しいものから高価なものまで様々ある。
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    tang_brmy

    PAST⚠️パソスト公開前に書いたので公式の設定と齟齬があります

    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25044306 の続きのふたりのおはなしというか、起承転結の起に当たるはなし。
    なので、衣都ちゃんが出て来ない吏衣都です。出て来るのは吏来さんとミカさんだけ。
    「その日」に思いを巡らす吏来さんを捏造しました。
    on that day「あら、吏来。いらっしゃい」
    「お疲れ」
     勝手知ったる何とやら。ジム帰りにAporiaに寄った吏来は、案内されるより先にカウンターの隅の席に腰を下ろす。
    「いつもの?」
    「うん、お願い」
     おしぼりを手渡しながらオーダーを確認したミカが、何かにあてられたように目を細めた。
    「機嫌がよさそうね」
    「わかる?」
    「それはもう。詳しく教えて……と言いたいところだけど、聞くまでもなくお嬢のことなんでしょ」
     首を横に振って肩をすくめるミカに、吏来は口の端を上げて答えとする。
    (お嬢のこと貰う約束した――とは、流石に言えないよな)
     たとえ親友と言えど、衣都を良く知る相手に詳しい話をするつもりはない。ただ、彼女とうまく行っているのが伝わればいいと、曖昧に濁す。ミカもその辺りの機微には聡いので、それ以上は何も聞かずに笑って、吏来の酒を作り始めた。
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