Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    show

    Si__Vales_Valeo

    DONEOVER THE SAME SKY最高でした運営様先生ありがとうございました。ポカぐだ♀ です。

    前にテさんがマスターを闇夜から立ち昇る太陽になぞらえる話を書いてたので、うれしかったです。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20228698

    オマエまだ脱稿してないだろって?それはそう!
    でもあと脱稿前の最終校閲だけだから!
    がんばる!
    ポカぐだ♀ / ほのぼの / OVER THE SAME SKY闇夜を裂く明るい髪のあとをゆく。

    いつもならば途切れることのない車列は見る影もなく、街は静まり返っていた。カランコロンと、二人分の足音が奏でる小気味良い音だけが響いていた。

    夜が一番深くなる時刻。マスターが言うには、この季節ではこの時間が一番過ごしやすいらしい。
    なるほどたしかに昼の焼け付くような暑さは影を潜め、肌を撫でる風も、湿り気はあるがマシなものだ。じっとりと纏わりつくような不快さはない。空からも足元からも炙り上げられ、立っているだけで汗をかく日中とは大違いであった。

    オレの国も夏は高温高湿であるため慣れてはいるが、好きかと問われれば否である。不快であることに変わりはない。
    空調が効いた部屋で冷たい麦酒でも飲みつつ、陽炎立つ窓の外の景色を眺めているほうがいいに決まっている。
    2867

    1usaco1

    DONE2PのユリアシュのSS
    白ユーリ×青アッシュ
    白が青を拾ってから、結ばれる少し前くらいのお話。

    拾った経緯についてはpixivのサンプル参照
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24561501
    《まだ知らない感情》 ページを捲る度に、ぎしりと革張りのソファーが小さく鳴く。背もたれと肘掛で体を支えて片手で持つには少々重たい厚みの本をピントの合う高さに合わせて、文字の海へ没頭する。
     数ページ読み進めて、ふぅと溜め息をついた。そんなに重いならテーブルを持ってくるなり机に移動するなりすればいい。出来るものならそうしたい。出来ないのだ。ちらりと膝に視線をやる。組んだ脚の上に頭を乗せて心地良さそうに眠る仔犬が、その原因であった。

     その日の朝早く、屋敷の門の前に置かれていたのは大きさの割にずっしりとした荷物。何が届いたかは検討がつく。薄い包装紙をぱりぱりと慣らして開けると、掠れた表紙が見えて、側面を見ればコーヒーが染みたような古びた色合いになった紙は、湿気を含んで歪んでいた。どうやら、偽物ではないようだと確信して口端を少し上げた姿を、音が気になって後ろから覗いた青年が見つめていた。それはロドが取り寄せた、吸血鬼に関する伝承を綴った本であった。
    2467