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    わたあめ

    賞味期限切れちくわ

    DOODLEわたあめ
    ぴゃーっと書くことを目標にしたやつ
    (お題提供おいなりさま)
    「わたあめの屋台なんて、まだあったんスねぇ」
    ふと立ち寄った神社の小さなお祭り。 不意に立ち止まったカスミがそうつぶやく。
    「自分が子供の時にもあったよ。懐かし…」
    なんて話しているうちにぐいぐいと腕を引かれて屋台の前まで連れてこられてしまった。
    「食べたいの?」
    「久しぶりに食べたくなったッス!真珠は?」
    「自分はおなかいっぱいだし遠慮しておこっかな」
    言い終わる頃にはカスミは嬉々とした顔でわたあめを受け取っていて、
    「今の仮面ライダーはこんなんなんスね~」
    なんて言いながら袋を剥いでいる。
    そして自分の顔ほどあろうかというそれにぱくりとかじりついた。
    「…ふ、甘くて美味しいッス~…この砂糖オンリーのやさしい甘みがなんとも…」
    なんだかわたあめが喋っているみたいだ。

    まっしろでふわふわのあまいわたあめ。
    色は違えど、それの向こうに見える彼に重ねてしまう。

    「どうしたんスか?真珠?」
    「えっ?あ、いや…ん、む…」

    突然唇に触れた熱はふわふわで、やさしくて、あまくて。
    「ひとくち欲しいなら、ちゃあんと言えば良いんスよ」
    わたあめの向こうでふわふわが揺れた気がした。

    おわり 496