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    シュルク

    香(かおる)

    DONEアシュルク/誓い「この劣化レプリカが!」
    「……」
    一体何度その単語を紡がれたのだろう。
    今となっては数えることのできぬ事象に、ルークはつきりと心の奥が痛む感覚を覚えた。
    その言葉を目の前の男——アッシュに吐かれたのは、何も昨日今日のことではない。自分が彼のレプリカだと分かってから―正確にはアッシュは大分前からルークのことがレプリカだと気付いていたのだが―幾度となく呼ばれた。たとえ彼が己のことを見下していないにしても、そう何度も吐き捨てられると流石のルークも心にずしりとくるものがある。己は所詮偽物で、本来ならばこの世にいて良いものではないのだと思い知らされるから。
    「…?おい、聞いてるのか?レプリカ」
    「……」
    「おい、レプリカ!」
    普段ならアッシュが吠えれば何かしらルークも返答するものだが、今日に限ってルークは下を向きぎゅっと拳を握りしめている。その様子を不思議に思い、アッシュは再度彼を呼ぶが、依然としてルークから返答はない。
    ―体調でも悪いのか?
    「おい、ル…、」
    もう一度ルークを呼ぼうとし、アッシュはその声を喉の奥に引っ込めた。なぜならば。
    「お前に…その…レプリカレプリカって何度も言われると… 1837