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    霹靂

    amei_ns

    DOODLE青天霹靂だったトールと藪蛇な呂布の雷飛。 ある日、呂布は気がついた。もしかして、トールは自分のことが好きなのではないか、と。戦いの最中はそうでもないのだが、頻繁に自邸に誘ってくるし、その誘いに乗ってやれば表情が和らぐし、飲んでいる最中に意味もなくくっついてくるし、なにもないのに見つめてはよく微笑んでくる。これは……そういうサインなのではあるまいか。そう思った呂布は飲みの席、直球でトールに尋ねた。
    「お前、もしや我のことが好きなのか?」
     トールはそれを聞いてぽかんとして、手に持っていた杯から酒をこぼしそうになったので、呂布はそれを空になった自らの杯で受けた。あまりにもトールが驚いているのを見て、呂布は違ったか? と首を傾げた。
     数秒後、硬直を解いたトールは言った。
    「……私は、貴様のことが好きなのか?」
    「それを我が聞いているのだが……」
     呂布はトールのこぼした酒に口をつける。頭を抱え、悩む様子のトールに、呂布はもしや余計なことをしてしまったのだろうかと思ったが、言ってしまったものは取り消せない。
    「まあ、我の気のせいだったら、それでいい。変なことを言い出して悪かった。忘れてくれ」
     トールは呂布のその言葉に曖昧に頷いた 2079