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    マイナー

    tofukinoshita

    MOURNING1~2年ほど前に書こうとして挫折していた文或二次小説の供養です……
    ししょとーのつもりです。オリジナル司書注意!

    作風は全然違うのですが、とあるお方のハイクオリティ司書藤小説を読んで、ししょとーにはまってしまったのです……。マイナーCPなので自給自足の日々です。
    午睡「あれ、何処に行っちゃったんだろう……?」
     談話室で目覚めた藤村は、ソファーの空いた部分に無造作に置いていたはずのマントの不在に気づき、辺りをきょろきょろと伺っていた。
     部屋の角にある蓄音機からは『亡き王女のためのパヴァーヌ』が流れていた。誰か洒落た趣味の文豪がセットしていったのであろう、心地よいクラシックのレコード。ここ最近頻繁に頼まれる助手業務の疲れとこの音楽とが合わさった結果、不覚にも居眠りをしてしまったようだ。
     図書館の文豪の中でも藤村と親しくかつ情報通な独歩に尋ねると、繊細な模様の藤色の裏地が美しい茶色の布を司書が抱えて歩いている姿の目撃情報があったとのことだった。

     コンコン、とドアをノックしたが反応がなかったので、少し躊躇った後、ドアを開ける。年若くして飛び級で大学を卒業しアルケミストになった特務司書は、実験に集中しすぎると周りが見えなくなるきらいがあった。勿論、ノックの音を聞き逃すことも。
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