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    芸術

    itundoEx

    DONE芸術家は二度死ぬ
    文筆家百物語怪談
    とある文芸作家の怪談 えぇえぇ、皆様皆様、お集まりの皆々様。
     どうもどうも、蒸し暑い日が続きますねぇ。私は一介の作家をしておりますものです。
     私の書いた作品がぁ、こんな遠い遠い未来にまで残っていること、そして今私がここにいるという事実現実、それが私にとってのホラーでございますが、皆様は私のコトをご存じでしょうか。おやおや、知らない人が多数ですかねぇ、ほらほら、遠慮なさらず手を挙げて構わねえんですよ? はは、私の背筋から冷たい汗が伝い落ちるところでございました。
     気を取り直しまして、襟を正させていただきましてっと……こんな場でお話をさせていただくなんてぇのは、まあそうないものでして。何せ私は筆で語る執筆屋、時には人に取材をした話やら、その地域に伝わる話やらをせっせせっせと集め回ったもんです。今はぁもしかしたらそういうコトもねえのかもしれませんねぇ。ここに来たときはぁまあ驚きました。知らぬ存ぜぬ機械に果てには芸術を社会制度に落とし込んじまっている、いやぁ、一介の作家の書く話ってのがぁ、芸術作品として残り続けている。こんな恥ずかしいことがぁありますか。きっと過去の文豪達もそうだそうだとお彼岸で頷いているコトでしょう。
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    SakuraK_0414

    DONE譲テツのなんかポエミーな話です。
    譲テツと芸術と27階時代からアメリカ寛解同居ラブラブ時空の話になりました。
    最初のジャズは You’d Be Nice to Come Home Toです。裸婦画はルネサンス期の任意の裸婦画、文学は遠藤周作「海と毒薬」のイメージです。引き取ったなりの責任として旅行とか連れて行ってたテツセンセの話です。
    ムーサ、あるいは裸のマハ。副題:神の不在と実在について。ムーサ:音楽、韻律の女神。ブルーノート東京にて。

     いつだったかの夏。
     学校から帰ってくるなり来週の診察は譲介、お前も付いて来い、と言われた。家を出るのは夕方からだと聞かされてちょっと安心したものの熱帯夜の続く8月の上旬のこと、内心うんざりしたが拒否権は無かった。この間の期末テストで学年1位だったご褒美だ、と言われたからだ。
     成績トップのご褒美が患者の診察についていく権利って何だよ、と思いはしたがこのドクターTETSUという様々な武勇伝を引っ提げた色々とんでもない身元引受人が医学を教えるという約束を反故にしないでいてくれたのが嬉しかったのもある。
     当日の夕方の移動中ドクターTETSUは僕に患者の状態などを説明してくれたが、内心落ち着かず、どこに連れていかれるのか気になって話はあまり聞けていなかった。これを着ていけ、と上から下まで真新しい服一式を渡されたからだ。サックスブルーと白のボーダーシャツにネイビーの麻のサマージャケットをメインに、靴は通学に使うのとは違うウィングチップの革靴まで差し出されたのだ。普段は政界・財界に影響力を持つ患者の対応をいつもの制服で対応させるこの人がこんな服を持ってくるなんてよっぽどの患者なのか、と身構えてしまった。多分それは横にいる大人にはバレていたのだけれど、彼は指摘して叱るようなことはしなかった。
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