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    かおる

    hachimitsuco_

    MAIKING鬼と子狐パロ。一度野に放たれるショタかおるくん(零薫)零の日課の散歩は雨の日でも行なわれる。そんな散歩道で零はびしょ濡れの泥濡れが酷い毛玉を見つけたのだ。最初は謎の毛玉だと思った。しゃがみ込んで、雨に濡れないように傘を差しながらその毛玉を指でつついてみたのは興味故だ。その刺激に身じろいで丸まった体が解かれて見えた人の肌にこの毛玉は生き物でそして小さな獣の住人である事を知った。

     ずっとこの雨に打たれていたのだろう、体温がとても低く、このままじゃこの子は近いうちに死んでしまう。今にも消えてしまいそうな命を、零を見捨てることは出来なかった。羽織を脱いで、汚れることを厭わず小さな体を包み込んだ。あまり自分は体温が高い方では無いけれど、少しでもこの子に温もりを移さなくてはと必死に抱きしめ羽織の上から摩擦をするように擦ってやる。早くもっと暖かいところに連れて行かなくては。零は先程まできていた道を駆けて戻ったのだった。
     そしてあの雨の日保護した子狐は零の介抱あって、すっかり元気を取り戻すことになる。びしょ濡れの毛玉は毛並みも艶々になりほっぺたもぷくぷく。頬紅なんて付けていないのに自然と薄紅色に色づいていて何とも愛らしい幼な子だった。
    長く独り身で 1715