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    オレンジ

    李南(りな)

    PROGRESSエアコレ2023春発行予定の新刊「風待ちオレンジ」の冒頭部の続きです。去年5月のエアコレの展示小説「ミッドナイトブルーは突然に」に当たる話ですが、夏DLCのボイスドラマを聞いてから展開が大きく変わりました。昔の思い出に対する玲太くんとマリィちゃんの気持ちの違いの部分が高校時代に進展しなかった影響に関わって来そうだなと思って
    ※正式なサンプルではないので、後程加筆修正する可能性があります
    風待ちオレンジ 卒業式翌日にして初めて玲太くんとデートして、その帰りに小学生以来に教会の鐘の音を聞いた。
     あの後すぐに玲太くんと教会へ向かったが、鐘はもう鳴っていなかった。
    「鐘、鳴らなかったね」
    「だな。やっぱりかざぐるまに願い事した、あの時一回だけか」
     あれ以来にもしかしたら……なんて密かに期待していたのでちょっと残念だったが、それでも玲太くんともう一度鐘の音を聞けて嬉しかった。
    「……でも、あれ以来鐘の音が聞こえたってことは、まだ可能性アリってことだよな?」
    と、玲太くんはボソリと呟いた。可能性アリとはもしかして――。
    (もしかして、かざぐるまの願い事のこと?)
     気になって聞こうとしたが、外はもうすっかり暗くなり、門限が迫っていた。もううちへ帰らなければならず、この日はかざぐるまの願い事のことを玲太くんに聞けなかった。
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    李南(りな)

    PROGRESSエアコレ2023春発行予定の新刊「風待ちオレンジ」の冒頭部です。高校三年間、全く進展のなかった卒業ED後の玲マリの恋が卒業式を境に動き出す話です。pixivに掲載している読み切りを加筆修正したものになりますが、この時点で大分長くなりそうです。
    ※正式なサンプルではないので、後程加筆修正する可能性があります
    風待ちオレンジ「久々の再会なのに。しかめっ面かよ」
    「もしかして……りょう――風真くん?」
     高校の入学式の日、イギリスに引っ越していた幼馴染の風真くんと九年ぶりに再会した。さらに、同じはばたき学園に通い、クラスまで同じになるなんて驚いた。
    (もしかしたら、わたしたち――)
     風真くんとの再会に何か不思議なものを感じたわたしは淡い期待とときめきに胸を膨らませた。

     ところがそれから三年経った高校の卒業式の日。
    「俺たち進歩が無さ過ぎ」
     と、風真くんが言うようにわたしたちは高校三年間全く進展がなかった。
    (あれ? こんなはずじゃなかったんだけどな……)
    入学当初こそ風真くんと一緒に登校したので、付き合っているのかと周囲によく聞かれた。だが、実際は付き合うどころかデートらしいデートも一度も無く、それほど親しいとはいえず、ただの幼馴染のまま高校三年間が過ぎてしまった。当然伝説の教会の扉も開かず、期待とは大きくかけ離れた三年間になってしまった。
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    GSでじーえすと読む

    DONE4月14日は、ヴァレンタインデーとホワイトデーに続く恋人たちが愛を深める日らしいので、台牧をオレンジと花嫁さんのような白いシーツでイチャつかせました。
    たくさんの人たちと出会って来たヴァッシュは、たくさんの花嫁に寄り添っては見送って送り出して、彼女たちが母に祖母になる姿も見て来たのかなと。自分の手には収まらない花嫁が、ウルフウッドが欲しくなったからプロポーズしたけど、結構頻繁に求婚してました!
    Orange キャシーは、両親や多くの友人に祝福されながら、長く想い合っていた幼馴染と幸せな結婚をした。
     ナオミは、親が決めた結婚相手と実際に会ってみたら、とても優しい人だったと安心して嫁入りした。
     メイランは、着の身着のままで従兄と駆け落ちし、ただ1人の立会人だけで彼と幸せな式を挙げた。
     ディーナの式では、早くに亡くした父親の代わりに彼女の手を引いてヴァージンロードを歩き、花婿に彼女を託した。
     祖母から、母から受け継いだウエディングドレスを着た花嫁もいた。
     ドレスを用意する余裕がなく、唯一持っている白いワンピースを着た花嫁もいた。
     ヴァッシュにとって、花嫁は見送る存在だった。幸せそうに微笑む彼女たちを、もっと笑顔にすることができる花婿へ花嫁を引き渡す。精一杯の祝福を、溢れんばかりの拍手を、死が2人を別つまで、この辛くとも乾いた惑星で幸せな日々を過ごせますように。
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