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    _aonof

    PROGRESS呉葉さんとの合同誌。「恋俉い」
    夏油と一瀬の話。
    夏の繁忙期が訪れるたびに、体重が落ちてしまうのを今まで誰かに話したことがない。夏油は今日も食欲がないことと、誰も見ていないことをいいことに適当にゼリー飲料で昼食を済ませようと立ち上がる。職員室に置いてある小さな冷蔵庫を開け、取り出したところで手首をつかまれてぎょっとした。
    「傑君」
     立っていたのは一瀬で、夏油は気配がなかったと思いながら嘆息して見せる。
    「先生って呼びなさい。一瀬」
    「傑君、もしかしてそれを昼食にするつもり?」
     夏油の注意も聞かず、真剣な表情で夏油を見据える一瀬に、いつもの微笑が浮かんでいないことに、見つからない方が良い相手に見つかったと夏油は察する。もともと彼は周囲をよく見ている人間だが、あまり口を出さない印象だったから意外だった。
    「違うよ。少し糖分を補給しようと思っただけ」
    「8月に入ってから体重どれくらい落ちてる?」
    「…………一瀬」
    「色って呼んで。傑君」
     生徒としてではなく、恋人として心配しているのだと遠回しに言う一瀬に、夏油は内心をうかがわせない笑みを浮かべる。
    「真似っ子かい?案外可愛い所もあるんだね」
     余裕の表情を見せながら、夏油は冷蔵庫を閉め 3033

    _aonof

    DOODLE呉葉さんとの合同誌の話。
    倫理とかない。
    オリ主(17)×五条(28)
    なんでも楽しめる人だけ。
    「人に落ちる恋」
    「悟君」
     ずっと聞きたかった声がしたのに、五条はゆっくりと目を開けた。寝るときは目隠しは外しており、薄暗い部屋はまだ夜の気配が漂っていて静かだ。声の主を探して見上げた先で、誰かが自分を見下ろしているのを見上げる。警戒しないのは、それがもう誰かわかっているからだ。
    「……いつ帰ってきたの?」
    「ついさっきだよ。駄目だよ悟君。こんなところで寝たら風邪ひくから」
     言いながら、自分の背中と足の裏に手を差し入れられて五条はぎょっとした。身長は自分のほうが10センチ近く高いのに、気にした様子もなく軽々と五条を抱き上げた一瀬が、器用に呪力を扱っているのが分かる。五条は、この身長と年で、こんなシチュエーションにときめくなんて思いもしなかったと一瀬の首に抱き着きながら思う。危なげない一瀬がベッドにそっと五条をおろしたのに、五条は腕を離さずに一瀬を捕まえたまま自分に引き寄せる。五条の力に倒れこみそうになった一瀬が、両手をシーツについて五条にかぶさるようになったのに、五条は唇に笑みを浮かべた。
    「ね。色。悪いこと教えてあげようか」
    「駄目。悟君、疲れてるでしょ」
    「疲れててもしたいの」
     一瀬が青くてち 2973