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    FN

    きなぴく

    SPOILERhunterBFの過去のおはなしです。誰も見たことのないはんびーの右目の秘密が明らかに...!
    ☝️本文ははんびー視点です
    秘密昔から、歌を歌えば軽やかな足音や羽の音が近づいてきて、目を合わせれば動物はみんな懐いた。
    「お前の目はきれいな碧色ね」母さんの言葉で覚えているのはこれだけだ。
    この目には不思議な力があった。視線を合わせればどんな動物も大人しくなって懐いてしまうのだ。一人が好きだったのもあったけど、その理由があって俺は小さい頃、いつも森へ遊びに行っては歌ったり遊んだりした。動物が大好きだった。ある日のことだった。いつものように動物と戯れていたら、草かげから小さな音がした。興味があった俺は近づいてみた。いつもどおりすぐに仲良くなれることを確信して。生い茂った草を掻き分けると、すみっこでうずくまっている黒い何かをみつけた。こんな動物は見たことがない。体が大きく、やや速く上下していた。怖がっているのか、それとも怪我をしているのか。「どうしたの。こっちへおいで」そう呼びかけると、徐々にソレは姿を現していった。一斉にザザッと草の上を疾走する音と、羽の擦れる音がし、あたりは一瞬で無音の世界となった。2mはゆうに超えていただろうか、自分が小さかったせいかもしれないが、目の前にいたのは巨大な体を持つ、恐ろしい形相をした怪物だった。あんなに好きだった歌の歌い方が、声の出し方が、全くわからなかった。辛うじて出たのは声にもならないただの乾いた音でしかなかった。ソイツからは黄色い血のような液体が暗い草地を照らしてぽたぽたと垂れており、真っ黒な体から見える目は黄色く発光していて、とても不気味だった。怪物はゆっくりと近づき、その不気味な目をにやりと細めた。俺は自分を落ち着かせるように目を閉じ、いつもの歌を歌った。動物に毎日歌ってやっていたあの歌を。しかしソイツは遮るように大きな声で唸った。そこで俺は覚悟を決めて目を見開き、不気味に光るソレに視線を合わせた。
    2024