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    帝国

    しえる🍙

    MOURNINGさんくえる君と帝国の兵士の話眩い月明かりの下、必死に救いを乞う兵士を男が静かに見下ろしている。
    「し、しし、仕方がなかったんだっ!俺だって本当は嫌だった!でも、でも命令だったんだよぉ!!」
    「それで?」
    かぶりを振って後退る兵士に、男はゆっくりと歩み寄り確実に退路を塞いでいく。
    ついにはその背には壁のみとなり、完全に逃げ場を失った兵士は半狂乱になり泣き叫ぶ。
    「いっ……嫌だぁアァァ!!死にたくない!!
    何でもする、何でもするから命だけは…!」
    地べたに額を擦り付け、必死に許しを乞うその姿に男は舌打ちをする。
    「お前は、そうやって命乞いをする人間をこれまでに何人嬲り殺してきた?」
    怒気を含んだ声音に、兵士はビクリと大袈裟に肩を震わせる。
    「そ、そんな……だって彼奴らは蛮族だぞ!?
    属州民にかける情けなんて……ギャアッ!!」
    恐怖故か開き直る兵士の腕が、宙を舞った。
    「痛いか?痛いよな。……お前が殺してきた人々は、それよりも更に酷い苦痛を味わってきた。」
    憤怒と憎悪を滾らせた隻眼が、激痛に呻く兵士を見下ろしている。
    「お前が踏み躙ってきた大地は、そこに暮らす人々が大切に受け継いできたものだ。
    お前が殺した子供達は、こ 909