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    風花

    @t_utumiiiii

    DOODLE※風花雪月・紅花の章のエンディングネタバレを含みます。 ディミエデを前提としたフェルエデペアエンド二次 
    フェルエデペアエンド後のエーデルガルトがフェルディナントに呼び名を教えない話(師との支援はB止まり)
    coda(ディミエデを前提としたフェルエデペアエンド二次) 決闘の末に結ばれた女帝と鉄血宰相の逸話をなぞるように、エーデルガルトとフェルディナントは結ばれた。もしも、十年前の自分にそのことを言って聞かせれば、その場で卒倒……までは、まあ、しないでしょうけれど、大層驚くでしょうね、と、その現状についてエーデルガルトは、自分のことながら、やや呆れるほどの気持ちでそう思っている。
     士官学校に在籍していた当時のエーデルガルトにとって、フェルディナントの印象は、率直に言うと、あまり良くなかった。エーギル公の嫡男、何も知らない子供。大貴族である自らの血筋と家柄――「貴族であること」に対して非常に強い誇りを持ち、さらにそれを美徳として追及するフェルディナントは、貴族たる自らの理想を体現するためにか、或いは宰相家の嫡男ということもあってか、次期皇位継承者であるエーデルガルトに向かって、事あるごとに突っかかっては、故事になぞらえた「決闘」を申し込んできた。
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    凛花(おがわ)

    MOURNING■初期に書いたお話です。この頃のリンドウの描写は、割と弱気というか殊勝な感じですね。
    <作品メモ>
    2012年遙かなる時空の中で5風花記が発売された直後のイベントで出した「はじめから恋だった」という小説同人誌に収録しているお話です。本のタイトルは【確かに恋だった(http://have-a.chew.jp/on_me/top.html)】様のお題をお借りしたものです。
    掌の上なら懇願のキスクロスを敷かれたテーブルを挟んで、向側に座っているのは誰だったかしら?

    ふと、そんなことを考えた。

    広大な公園の中にある天井と壁の大半がガラス張りのティールームはゆったりと開放感のある空間で、存分に射し込む陽光は、まばらに置かれた観葉植物の葉をきらきらと光らせる。テーブル上でほんのりと汗をかくガラスの水差しの中は、まるで星屑を詰め込んだように大小の輝きで満たされていた。

    向かいの人物は、スッと伸びた脚を組み、手にした本を繰っている。指はほっそりと長く器用そうに見える。細い黒縁の眼鏡越しに見える瞳は長い睫毛が縁取っていた。
    第二ボタンまで緩めたシャツに紺のジャケットが良く似合って居る。
    少し見える鎖骨がいやらしくなることなく清潔感を保っているのは、育ちの良さが見てとれる姿勢とか、どこか洗練された所作のせいかもしれない。
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