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    カリフラワー

    DONEあぶ空2023/04/14-15 展示作品
    ルスマヴェ バカンス『Caustics (後編)』
    2人がバカンスに行く話、後編です🏝️『18/36』に繋がりそうな話なので、よかったらそちらもご一緒にどうぞ…(過去作に並んでます)
    ※このホテルはオールインクルーシブです✌️
    Caustics (後編) バーは三方を囲む全てのドアが開け放たれていた。頬を掠める海風は熱気が取り除かれ、その爽やかな空気に安堵する。バーの真ん中には四角形のこぢんまりしたバーカウンターがあり、数人の宿泊客が注文を待っている。バーの角の一つにはデキャンタがいくつか並んでいる。近づいてみると"チリ・ウォッカ"、"フェンネル・ウォッカ"や"シナモン・ウイスキー"などと書かれたタグがかけられていた。かなり興味をそそられる名前だ。後でマーヴに教えてあげよう。
    「ご注文は?」
    「モヒートを2つお願いします」
    「かしこまりました」
    絶えず吹き抜ける風は窓際にもたれかけた身体を後ろから優しく撫でていく。陽に晒された素足はビーチサンダルの形に焼けていて、脱いでもくっきりと跡が残り滑稽だ。この調子ならタンクトップやサングラスの跡も残っているだろう。振り返りマーヴがいるカバナへ目をやると、薄いカーテンの向こう側に寝そべっている姿がぼんやりと見えた。本を読みながら、時折周囲を眺めている。彼は声をかけても聞こえない場所にいて、カーテンの向こうの表情はぼやけている。それでもマーヴの匂いが、感触が、話し声が、遠くから見つめるだけで思い出せる。まるですぐ隣にいるみたいに。
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