住めば都
DONE #aknk版深夜の創作一本勝負 より、お題をお借りしました「内緒にしようね」でハウレス夢
主様がお土産を買ってくる話
今日、カフェでチョコバナナケーキを食べながら、これたぶんハウレス好きだよなと思ったのを形にしました。おあつらえ向きにぴったりのお題があったので……
甘やかなひみつ「ハウレス! グッドタイミングだよ!」
いつもの時刻に屋敷へやってきた主人は、出迎えたハウレスの顔を見るなりそう言って親指を立てた。
「寝室行ったら一旦あっちに戻るけど、すぐに帰ってくるから、コーヒーの用意をお願い。ポットで、カップは二つね!」
そう言って、彼女は階段を駆け上がっていく。
わけもわからぬまま、けれど主人の頼まれごとを放っておくわけにもいかない。ハウレスは言われたとおりにコーヒーを用意するべく、別邸にいるテディの元へ向かった。
紅茶ならばハウレスだって、ベリアンには及ばずとも、それなりに入れられる。それは、執事として長い時間を過ごす中で、身につけた技術だ。
だがコーヒーに関しては、最近勉強を始めたばかりで。コーヒー好きのテディが入れるものにはまだまだ敵わない。
2379いつもの時刻に屋敷へやってきた主人は、出迎えたハウレスの顔を見るなりそう言って親指を立てた。
「寝室行ったら一旦あっちに戻るけど、すぐに帰ってくるから、コーヒーの用意をお願い。ポットで、カップは二つね!」
そう言って、彼女は階段を駆け上がっていく。
わけもわからぬまま、けれど主人の頼まれごとを放っておくわけにもいかない。ハウレスは言われたとおりにコーヒーを用意するべく、別邸にいるテディの元へ向かった。
紅茶ならばハウレスだって、ベリアンには及ばずとも、それなりに入れられる。それは、執事として長い時間を過ごす中で、身につけた技術だ。
だがコーヒーに関しては、最近勉強を始めたばかりで。コーヒー好きのテディが入れるものにはまだまだ敵わない。
住めば都
DOODLEお菓子作りをするハウレスと、先生役のロノの話概ねギャグだけどヤマもオチ深い意味もない
夢小説じゃないつもりで書いたけど、香りくらいはするかも
デビルズパレスは今日も平和です 主人のためにお菓子を作れるようになりたいハウレスは、今日も今日とて厨房で練習をしていた。だが、どうしても卵をボールに割り入れるところでつまづいてしまう。
割り入れる、というか……力が強すぎて卵を持つなり握りつぶしてしまうのだ。
見かねたロノがアドバイスをした。
「卵を主様だと思って触ってみたらどうだ? いいか、今からこの卵は主様だからな」
ハウレスはりんごも軽々と握り潰せる馬鹿力の持ち主だ。だが、ロノは今までハウレスに触れられた主人から、痛いという言葉が飛び出すのを聞いたことがない。
ということは、主人に対してはうまく力加減ができているのだ。なぜそれを他の物に応用できないのかとロノは思ってしまう。だがその辺りが、ハウレスが不器用たる所以なのだろう。
659割り入れる、というか……力が強すぎて卵を持つなり握りつぶしてしまうのだ。
見かねたロノがアドバイスをした。
「卵を主様だと思って触ってみたらどうだ? いいか、今からこの卵は主様だからな」
ハウレスはりんごも軽々と握り潰せる馬鹿力の持ち主だ。だが、ロノは今までハウレスに触れられた主人から、痛いという言葉が飛び出すのを聞いたことがない。
ということは、主人に対してはうまく力加減ができているのだ。なぜそれを他の物に応用できないのかとロノは思ってしまう。だがその辺りが、ハウレスが不器用たる所以なのだろう。
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DONEあくねこ、ハウレス夢。恋人設定。夜の見張り台でハウレスと星を見る話。
特にヤマもオチも深い意味もない。イチャイチャしてるハウ主が書きたかっただけ。
星の夜 星を見に行かないかという誘いに、ハウレスの主人であり恋人でもある女は、にっこり笑って頷いた。拒否されるとは思っていなかったが、それでも受け入れられると嬉しいものだ。ハウレスは微笑みを返し、彼女に手を差し出した。
陽はとうに落ちて、屋敷には夜闇が蟠っている。ロウソクだけが光源の視界では足元が疎かになるからと、女が夜の屋敷を歩くときは、その日の担当執事が手を引いてエスコートするのが常となっていた。
主人の部屋のある二階から階段を上がり、三階の細い廊下を奥へと進む。見張り台へと続く階段を上がって扉を開け放てば、一気に視界が開けた。
「屋敷の中より、外のほうが明るいんだね」
歓声に続けて、女が言う。彼女の視線はすでに、数多の宝石を散りばめたような星空に釘づけだった。
1824陽はとうに落ちて、屋敷には夜闇が蟠っている。ロウソクだけが光源の視界では足元が疎かになるからと、女が夜の屋敷を歩くときは、その日の担当執事が手を引いてエスコートするのが常となっていた。
主人の部屋のある二階から階段を上がり、三階の細い廊下を奥へと進む。見張り台へと続く階段を上がって扉を開け放てば、一気に視界が開けた。
「屋敷の中より、外のほうが明るいんだね」
歓声に続けて、女が言う。彼女の視線はすでに、数多の宝石を散りばめたような星空に釘づけだった。
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DONEあくねこ、ハウレス夢。夏の終わりにセンチメンタルになってしまった主様とハウレスの話。
企画「貴方が紡ぐ物語_弍」参加作品。「もうすぐ、夏が終わる」という書き出しで作品を作るという企画でした。楽しく参加させていただきました。ありがとうございました!
愛しき日々よ、続け もうすぐ、夏が終わる。
私たちはフガヤマでの滞在を終え、屋敷に戻ってきていた。かの地での賑やかなお祭りは、夏という季節の楽しさを凝縮したようで、慣れた場所へ帰ってきた安心感より、寂しさのほうが勝ってしまう。
夏の終わりは、どうにもセンチメンタルになってしまっていけない。
「主様、大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ、ため息をついていらしたので」
傍に控えてくれていた担当執事のハウレスは、そう言うと心配そうに眉尻を下げた。私は元気そうに見えるよう笑顔を作って、大丈夫だよと答える。きちんと誤解を解いておかないと、この過保護な執事はどこまでも心配を加速させてしまうのだ。
「ただ……ちょっと寂しいなって思っただけなの。フガヤマで過ごした時間が、とても楽しかったから」
2034私たちはフガヤマでの滞在を終え、屋敷に戻ってきていた。かの地での賑やかなお祭りは、夏という季節の楽しさを凝縮したようで、慣れた場所へ帰ってきた安心感より、寂しさのほうが勝ってしまう。
夏の終わりは、どうにもセンチメンタルになってしまっていけない。
「主様、大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ、ため息をついていらしたので」
傍に控えてくれていた担当執事のハウレスは、そう言うと心配そうに眉尻を下げた。私は元気そうに見えるよう笑顔を作って、大丈夫だよと答える。きちんと誤解を解いておかないと、この過保護な執事はどこまでも心配を加速させてしまうのだ。
「ただ……ちょっと寂しいなって思っただけなの。フガヤマで過ごした時間が、とても楽しかったから」
住めば都
DONEあくねこ、ハウレス夢。朝、しんどそうにしている主様に四葉のクローバーを渡すハウレスの話。生活の思い出ネタバレあり。
これなんと、ほぼ実話でして。ある朝、仕事行きたくね〜と思いながら起きて、家出る前の時間にハウレスを担当にしてつんつんしてたら、四葉を持ってきておまじないをしてくれたんですよ……そういうとこだぞハウレス……
幸福が降り注ぎますように とある朝のこと。主人の起床時刻に寝室を訪ねたハウレスは、いつまでたってもノックに応答がないことに首を傾げた。
常であれば、すぐに「どうぞ」と応えがあるのだが。ハウレスの主人は寝坊も二度寝もめったにしないしっかり者で、彼が起床の声掛けにくるころには、身支度まで済ませていることがほとんどなのだ。
「失礼いたします。主様、起床のお時間ですよ」
もしかしたら今朝は、主人の貴重な寝起き姿が見られるかもしれない。不謹慎とは思いながらも、胸を躍らせながらハウレスは扉を開けた。しかし、ことは彼が思っていたほど簡単ではないようだった。
まだ眠っていると思われた主人は、ぱっちりと目を開いていた。しかし体は未だベッドの上にあり、毛布にくるまったまま。起きたくないと、全身で主張しているようにハウレスには見えた。
2408常であれば、すぐに「どうぞ」と応えがあるのだが。ハウレスの主人は寝坊も二度寝もめったにしないしっかり者で、彼が起床の声掛けにくるころには、身支度まで済ませていることがほとんどなのだ。
「失礼いたします。主様、起床のお時間ですよ」
もしかしたら今朝は、主人の貴重な寝起き姿が見られるかもしれない。不謹慎とは思いながらも、胸を躍らせながらハウレスは扉を開けた。しかし、ことは彼が思っていたほど簡単ではないようだった。
まだ眠っていると思われた主人は、ぱっちりと目を開いていた。しかし体は未だベッドの上にあり、毛布にくるまったまま。起きたくないと、全身で主張しているようにハウレスには見えた。
住めば都
DONEあくねこ、ハウレス夢。過労で熱を出したハウレスが主様に看病される話。
なおハウレスは回復したあと、ボスキやアモンから主様に甲斐甲斐しく世話されたことをさんざんからかわれたそうな。
担当執事をつついてると、いやそのセリフそっくりそのまま返すよ!?って思うことが多くて、この話もそういうアレから生まれました( ˇωˇ )
きみに捧げる特効薬 今になって思い返して見ると、朝起きたとき、いつもより体が重いような気はしたのだ。けれど、頭が痛いとか咳や鼻汁が出るとか喉が痛むとか、ほかの症状がなかったものだから。少し疲れが溜まっているのだろうと、ハウレスは軽く考えてしまった。
「おそらくは、過労だね」
診察していたルカスが真剣な表情で告げるのを聞いて、ハウレスの主人はひどくショックを受けた表情になった。主様がそのように悲しそうなお顔をされる必要はないのにと、ハウレスは思ったけれど、熱があることを自覚してしまった体はやたらと重だるくて、口を開くこともままならなかった。
ハウレスの異変に気づいてルカスの元へと連れてきたのは、他ならぬ主人だった。
この日――。ハウレスは寝起きに体のだるさを覚えたものの、大したことではないと断じて普段どおりに仕事に取りかかった。屋敷中の窓を開けて空気を入れ替え、トレーニングをこなし、主人に起床時間を知らせにいった。身支度を済ませた彼女を食堂までエスコートするために手をとって、そこで眉間に皺を寄せ険しい顔になった主人に手首や首筋、額などを触られた。そうして、有無を言わさずここへ連れてこられたのだ。
2523「おそらくは、過労だね」
診察していたルカスが真剣な表情で告げるのを聞いて、ハウレスの主人はひどくショックを受けた表情になった。主様がそのように悲しそうなお顔をされる必要はないのにと、ハウレスは思ったけれど、熱があることを自覚してしまった体はやたらと重だるくて、口を開くこともままならなかった。
ハウレスの異変に気づいてルカスの元へと連れてきたのは、他ならぬ主人だった。
この日――。ハウレスは寝起きに体のだるさを覚えたものの、大したことではないと断じて普段どおりに仕事に取りかかった。屋敷中の窓を開けて空気を入れ替え、トレーニングをこなし、主人に起床時間を知らせにいった。身支度を済ませた彼女を食堂までエスコートするために手をとって、そこで眉間に皺を寄せ険しい顔になった主人に手首や首筋、額などを触られた。そうして、有無を言わさずここへ連れてこられたのだ。
住めば都
DONEあくねこ、ハウレス夢本編2章の直後くらいに、セラフィムの騙った主様の処刑を夢に見るハウレスの話。
始めたばっかりですが、生きてるだけで褒めてくれるあくねこくんにズブズブです。
本編は3章1部まで、イベストは全て読了、未所持カードばっかりだし執事たちのレベルもまだまだなので解釈が甘いところも多いかと思いますが、薄目でご覧いただければと思います( ˇωˇ )
悪夢のしりぞけ方 ハウレスはエスポワールの街中に佇んで、呆然と雑踏を眺めていた。
多くの商店が軒を列ねる大通りは、日頃から多くの人で賑わっている。幅広の通りはいつものように人でごった返していたが、いつもと違い、皆が同じほうを目指して歩いているのが奇妙だった。
なにかあるのだろうか。興味を引かれたハウレスは、足を踏み出して雑踏の中へ入った。途端に、周囲の興奮したような囁き声に取り囲まれる。
「火あぶりだってさ」
「当然の方法だよ。なにしろ奴は人類の敵なんだから」
「天使と通じてたなんて、とんでもない悪女だな」
「許せないよ。死んで当然だ」
虫の羽音のような、不快なさざめきが寄せては返す。悪意と恐怖、それから独善的な正義。それらを煮つめて凝らせたような感情が、人々の声や表情に塗りたくられていた。
4518多くの商店が軒を列ねる大通りは、日頃から多くの人で賑わっている。幅広の通りはいつものように人でごった返していたが、いつもと違い、皆が同じほうを目指して歩いているのが奇妙だった。
なにかあるのだろうか。興味を引かれたハウレスは、足を踏み出して雑踏の中へ入った。途端に、周囲の興奮したような囁き声に取り囲まれる。
「火あぶりだってさ」
「当然の方法だよ。なにしろ奴は人類の敵なんだから」
「天使と通じてたなんて、とんでもない悪女だな」
「許せないよ。死んで当然だ」
虫の羽音のような、不快なさざめきが寄せては返す。悪意と恐怖、それから独善的な正義。それらを煮つめて凝らせたような感情が、人々の声や表情に塗りたくられていた。