とうこ
DOODLE囚人。文頭の空白が投稿時に削除されてしまうの、なんとかしてほしい~。
(なので☆を入れている)
☆
キミ、死刑ね。封印の札だらけの空間で、五条悟は楽しげに宣告した。いつもの上から下まで真っ黒の衣服で、色の渦巻く空間の中に影人間のようだ。ふざけた態度にだらしのない姿勢、顔の上半分を包帯で覆った顔は締まりなく笑っていて、実際に生者の必死さを嘲笑う亡者の国の者のよう。悪魔に足を取られて人生を破綻させればきっとこんな悪魔の哄笑を聞くのだろう。
五条はしかし、突然に、ぴたりとその仮面を投げ捨て、ごく低い声で、唸るように言う。
「何でだよ」
雑に包帯を引き下ろし、その隙間から蒼天の瞳が刺してくる。恐ろしいほどの真顔は、激情をよく表現していて、空恐ろしくなるほどだ。まるで臨戦態勢の猛獣を前にしたような威圧感は、実際に質量のある空気のように周囲を圧迫し、圧倒する。
2020キミ、死刑ね。封印の札だらけの空間で、五条悟は楽しげに宣告した。いつもの上から下まで真っ黒の衣服で、色の渦巻く空間の中に影人間のようだ。ふざけた態度にだらしのない姿勢、顔の上半分を包帯で覆った顔は締まりなく笑っていて、実際に生者の必死さを嘲笑う亡者の国の者のよう。悪魔に足を取られて人生を破綻させればきっとこんな悪魔の哄笑を聞くのだろう。
五条はしかし、突然に、ぴたりとその仮面を投げ捨て、ごく低い声で、唸るように言う。
「何でだよ」
雑に包帯を引き下ろし、その隙間から蒼天の瞳が刺してくる。恐ろしいほどの真顔は、激情をよく表現していて、空恐ろしくなるほどだ。まるで臨戦態勢の猛獣を前にしたような威圧感は、実際に質量のある空気のように周囲を圧迫し、圧倒する。
とうこ
DOODLEワンライで書いた「キス」がテーマの七五。⭐︎
悟は目を覚ますとまず最初に隣で眠る男が呼吸をしているかを確かめる。とても静かに眠るので、もしかして死んでいるんじゃないかと、そういう自分でも馬鹿げていると笑ってしまうような杞憂に取り憑かれるからだ。口や鼻に手を当てて、呼気が温かく手のひらを湿らすのを実感して、ほっと息を抜く。
これが共寝の朝の癖になってしまっている。七海が眠っているうちの、密やかなルーティンだ。胸に手を当てて上下していることや、心臓の音が低く響くことを一つずつ確認して、安心をする。幸福を感じる。これで一日を幸せに始められる。
皮膚の薄い神経質そうな額に口をつける。白人らしく見える所以の通った鼻筋にくちびるを滑らす。くすぐったいのか、一瞬眉を寄せたけれど、まだ起きない。ゆっくりとした呼吸が続いている。
1106悟は目を覚ますとまず最初に隣で眠る男が呼吸をしているかを確かめる。とても静かに眠るので、もしかして死んでいるんじゃないかと、そういう自分でも馬鹿げていると笑ってしまうような杞憂に取り憑かれるからだ。口や鼻に手を当てて、呼気が温かく手のひらを湿らすのを実感して、ほっと息を抜く。
これが共寝の朝の癖になってしまっている。七海が眠っているうちの、密やかなルーティンだ。胸に手を当てて上下していることや、心臓の音が低く響くことを一つずつ確認して、安心をする。幸福を感じる。これで一日を幸せに始められる。
皮膚の薄い神経質そうな額に口をつける。白人らしく見える所以の通った鼻筋にくちびるを滑らす。くすぐったいのか、一瞬眉を寄せたけれど、まだ起きない。ゆっくりとした呼吸が続いている。
yuuki_1132
DONE『ナナミとくま』の続き。なかなか起きない。
前の🐻漫画+追加一枚あわせてpixivにまとめました。
https://www.pixiv.net/artworks/88574347 7
とうこ
DOODLE腹囲測定をする七五みかさんとお話ししてたななごのネタを書きました!
⭐︎
お腹減ったー、とベッドの上で長々伸びているのは七海の可愛い恋人だ。湿った白い髪がひと束、なめらかな頬に貼りついている。しっとりと潤んだ肌の上にはまだ玉の汗が光っていて、身動きのたびにつるつると零れて流れる。気怠げに半ば閉じた瞼の皮膚は薄くて繊細で花びらのようだ。羽のように生えそろった睫毛の伏した影の下、目の醒めるような彩度の高い青い瞳が呆然と虚空を見つめている。泣き腫らして白目も目の淵も赤く染まっている。くちびるも吸われてぽってりと、赤みが増している。
そんな悩ましい姿で訴えるのは空腹だ。七海はため息をつきながらスマホを手に取った。
「もうデリバリーで構いませんよね」
3294⭐︎
お腹減ったー、とベッドの上で長々伸びているのは七海の可愛い恋人だ。湿った白い髪がひと束、なめらかな頬に貼りついている。しっとりと潤んだ肌の上にはまだ玉の汗が光っていて、身動きのたびにつるつると零れて流れる。気怠げに半ば閉じた瞼の皮膚は薄くて繊細で花びらのようだ。羽のように生えそろった睫毛の伏した影の下、目の醒めるような彩度の高い青い瞳が呆然と虚空を見つめている。泣き腫らして白目も目の淵も赤く染まっている。くちびるも吸われてぽってりと、赤みが増している。
そんな悩ましい姿で訴えるのは空腹だ。七海はため息をつきながらスマホを手に取った。
「もうデリバリーで構いませんよね」
とうこ
DOODLEお付き合いしている高専ななごのバレンタイン〜。⭐︎
ほらコレやるよと一年上の先輩は、七海の顔も見ずに小さな箱を乱暴に投げてよこした。
今日はバレンタインデーだ。朝に寮を出てすぐのところ、教室のある校舎まで向かう道のりだ。寒い早朝にマフラーからの息を白く染めているのは七海だけではなく、これを渡してきた背の高い先輩も同様で、もう後ろ姿しか見えないが、息が真っ白なのは見える。髪も真っ白で、マフラーと制服は真っ黒だ。二月の朝の光量の少ない、少し黄みがかった景色の中、どんどんと前を先に歩いていく。寒そうに、マフラーからはみ出た耳は赤い。
「……アナタが?」
七海はついそうこぼした。すると、どんどん歩いていた先輩は、さらに早歩きになり、すぐに駆け出して、健脚だからあっという間に走り去って、見えなくなった。
1808ほらコレやるよと一年上の先輩は、七海の顔も見ずに小さな箱を乱暴に投げてよこした。
今日はバレンタインデーだ。朝に寮を出てすぐのところ、教室のある校舎まで向かう道のりだ。寒い早朝にマフラーからの息を白く染めているのは七海だけではなく、これを渡してきた背の高い先輩も同様で、もう後ろ姿しか見えないが、息が真っ白なのは見える。髪も真っ白で、マフラーと制服は真っ黒だ。二月の朝の光量の少ない、少し黄みがかった景色の中、どんどんと前を先に歩いていく。寒そうに、マフラーからはみ出た耳は赤い。
「……アナタが?」
七海はついそうこぼした。すると、どんどん歩いていた先輩は、さらに早歩きになり、すぐに駆け出して、健脚だからあっという間に走り去って、見えなくなった。
とうこ
DOODLE風邪引きさとるの七五さとるん風邪を引くのまき。
⭐︎
七海は電話回線越しの
「今日ちょっと風邪っぽいから、オマエんち行くのやめとくね」
といういつも通りのお軽い調子で告げられた断り文句に、眉間の皺を深くした。
七海は実は、五条のプライベートを知らない。今現在、普段はどこで寝泊りしているのかすら知らない。実家なのか、それとも高専に居場所を作っているのか、とっくに一人で暮らしているのか、または実家から付き人を連れて複数人で居を構えているのか、そんなことも知らない。
だからどんな生活を送っているのかも知らないし、普段の衣服や食事をどのようにこなしているのかも知らない。
ただ、大体はわかっていることはある。
七海は、不機嫌な、苛立たしさを隠さない声で、五条に返事をする。
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七海は電話回線越しの
「今日ちょっと風邪っぽいから、オマエんち行くのやめとくね」
といういつも通りのお軽い調子で告げられた断り文句に、眉間の皺を深くした。
七海は実は、五条のプライベートを知らない。今現在、普段はどこで寝泊りしているのかすら知らない。実家なのか、それとも高専に居場所を作っているのか、とっくに一人で暮らしているのか、または実家から付き人を連れて複数人で居を構えているのか、そんなことも知らない。
だからどんな生活を送っているのかも知らないし、普段の衣服や食事をどのようにこなしているのかも知らない。
ただ、大体はわかっていることはある。
七海は、不機嫌な、苛立たしさを隠さない声で、五条に返事をする。
とうこ
DOODLE腕枕したい七五☆
呼吸音を聞きながらページをめくる。
電子書籍隆盛の昨今だが七海は本の形態を好んでいる。それは「耳と耳の間にある最大の資産」の利率を上げるものだし、「最後まで売ってはならない」ものだから所持しておくこと自体に意味があるし、いずれ自分がこの世のものに所有権を持たなくなったとしても「低きに流す」ことができる媒体だからだ。
とはいえ。
たとえ海辺だろうと高原の一軒家だろうと、電気も電波も無くとも楽しめるものであっても、この状況では些かよろしくない。
ひとり寝の夜ならば好きに光量を調節し好きな姿勢で本を読むことができる。
しかしながら、今夜の七海の傍には五条がいる。
もうすっかり深い眠りに入り、髪の先、指先までぽかぽかと温かくなった、長々しい体を、ゆったりのびのびと弛緩させて、のんびりと呼吸している。砂浜に打ち寄せる波のように、ゆらゆら寄せては返す呼吸で、七海の腕まで揺れる。
1904呼吸音を聞きながらページをめくる。
電子書籍隆盛の昨今だが七海は本の形態を好んでいる。それは「耳と耳の間にある最大の資産」の利率を上げるものだし、「最後まで売ってはならない」ものだから所持しておくこと自体に意味があるし、いずれ自分がこの世のものに所有権を持たなくなったとしても「低きに流す」ことができる媒体だからだ。
とはいえ。
たとえ海辺だろうと高原の一軒家だろうと、電気も電波も無くとも楽しめるものであっても、この状況では些かよろしくない。
ひとり寝の夜ならば好きに光量を調節し好きな姿勢で本を読むことができる。
しかしながら、今夜の七海の傍には五条がいる。
もうすっかり深い眠りに入り、髪の先、指先までぽかぽかと温かくなった、長々しい体を、ゆったりのびのびと弛緩させて、のんびりと呼吸している。砂浜に打ち寄せる波のように、ゆらゆら寄せては返す呼吸で、七海の腕まで揺れる。
とうこ
DOODLE【七五】僕からの大事な話んでこっちはとりあえずセックスして事後のお話です。間のエロい所は今度書こーって思ってたんですけど今別のん書き始めちゃったから多分もう書かないかなー。
☆ ☆ ☆
それで、と話を切り出した五条悟は人並外れた長身を長々とベッドに横たえている。しなる背中はすっかり火照りも冷めているけれどもまだ髪は汗で湿って束になりうなじに絡んでいる。そんなしどけない姿で、気怠さ隠し切れない頬で笑顔を作り、
「僕からの大事な話なんだけど」
と切り出すから、七海は少し機嫌を損ねた。
「まだまだ余裕そうじゃないですか。相変わらずウソツキですね」
「待ってギブギブ」
のしかかると大袈裟に手足をばたつかせて、まるきり子供のプロレスみたいだから七海はため息をつくしかない。
2308☆ ☆ ☆
それで、と話を切り出した五条悟は人並外れた長身を長々とベッドに横たえている。しなる背中はすっかり火照りも冷めているけれどもまだ髪は汗で湿って束になりうなじに絡んでいる。そんなしどけない姿で、気怠さ隠し切れない頬で笑顔を作り、
「僕からの大事な話なんだけど」
と切り出すから、七海は少し機嫌を損ねた。
「まだまだ余裕そうじゃないですか。相変わらずウソツキですね」
「待ってギブギブ」
のしかかると大袈裟に手足をばたつかせて、まるきり子供のプロレスみたいだから七海はため息をつくしかない。
とうこ
DOODLE【七五】大事な話これはじゅじゅちんこを見た当初に書いた七五さんです。初書き七五でした。勢いで書き過ぎてるから、ほんぶん、説明不足にもほどがあるのだ。
☆ ☆ ☆
なーなみん、お出かけしよ。
どうせまた面倒ごとに巻き込まれるか面倒な雑用を押し付けられるか面倒くさい目に遭うか。君子危うきに近寄らず。五条さんの可愛子ぶりっ子には近寄るべからず。
「大事な話があるんだって」
学生の頃より鍛えられたスルースキルを駆使し、数々の子供じみた嫌がらせ、もとい構って攻撃を掻い潜り、やっとひと段落というところでポケットの中に異物。なぜか描きなれた感のある似顔絵が燦然と輝く封筒を開けると、中身はただのちんこ。
「……五条さん」
近くで様子を窺っているに違いない人を呼ぶ。簡単に周囲を見回すだけでは見つからないが必ず近くにいるはずだ。自販機の並ぶ道は見た所は無人、横道に入っても誰もいず、上を見上げれば近くの屋上から、顔を半分黒く覆った顔で顎を上げて尊大に見下ろし、笑っている。
1250☆ ☆ ☆
なーなみん、お出かけしよ。
どうせまた面倒ごとに巻き込まれるか面倒な雑用を押し付けられるか面倒くさい目に遭うか。君子危うきに近寄らず。五条さんの可愛子ぶりっ子には近寄るべからず。
「大事な話があるんだって」
学生の頃より鍛えられたスルースキルを駆使し、数々の子供じみた嫌がらせ、もとい構って攻撃を掻い潜り、やっとひと段落というところでポケットの中に異物。なぜか描きなれた感のある似顔絵が燦然と輝く封筒を開けると、中身はただのちんこ。
「……五条さん」
近くで様子を窺っているに違いない人を呼ぶ。簡単に周囲を見回すだけでは見つからないが必ず近くにいるはずだ。自販機の並ぶ道は見た所は無人、横道に入っても誰もいず、上を見上げれば近くの屋上から、顔を半分黒く覆った顔で顎を上げて尊大に見下ろし、笑っている。