menhir_k
TRAINING続・エルアー時空片割れ不在ポイント・オブ・ノーリターン 2 硬質な足音が廊下に響く。階段を上るとブリッジへと続く扉の前に、小型の召喚獣が三匹固まっている姿が見えた。ケラックだ。彼らもアークに気が付いて寄ってくる。
「チョンガラはいる?」
扉を指しながら訊ねると、召喚獣が代わる代わる頷いた。だが通路が狭く、更にはケラックが纏わり付いて先に進めない。
記憶を頼りにポケットをまさぐると、紙に包まれた状態の、ファッジに似た砂糖菓子のバルフィが丁度三個出て来た。街に繰り出したちょこが、何かの気紛れでアークにくれたものだ。それをケラックに渡し、道を開けて貰う。楽しみにさしていたのに残念だな、とアークは思った。
扉をくぐると大量の煙に襲われ、反射的に目を閉じる。
「換気しろ、ヤニ食い共」
4480「チョンガラはいる?」
扉を指しながら訊ねると、召喚獣が代わる代わる頷いた。だが通路が狭く、更にはケラックが纏わり付いて先に進めない。
記憶を頼りにポケットをまさぐると、紙に包まれた状態の、ファッジに似た砂糖菓子のバルフィが丁度三個出て来た。街に繰り出したちょこが、何かの気紛れでアークにくれたものだ。それをケラックに渡し、道を開けて貰う。楽しみにさしていたのに残念だな、とアークは思った。
扉をくぐると大量の煙に襲われ、反射的に目を閉じる。
「換気しろ、ヤニ食い共」
ささみ
TRAININGエルアー!どれだけ書くんだ。アークが嫌われたい努力をするだけ。
全ては水の泡だった君に嫌われたい
「アークの事、好きかも」
エルクにそんな風に告白された俺は衝撃を受けた。
君はリーザといい雰囲気だろ?と問うとリーザも応援してくれてると。
なんて事だ。
何となくだが彼女の言い分もわかる。
ククルもきっと俺が誰かを好きだと言えば応援するからだ。そして最後には私のところに帰ってきてくれるものと自信満々に言うだろう。
「ダメか?」
成る程、いわゆる告白という事で返事を待たれているのだな…。
よし、受け入れようとも。
そして盛大にお前に嫌われてやろうと俺はの心に決めたのだ。
でも待てよ…受け入れる前に試したい事がある。
確か昔にこんな話を聞いた。
質問で返す男は嫌われるとか何とか。
よし、これだ。
「ダメ、と言ったら?」
5630「アークの事、好きかも」
エルクにそんな風に告白された俺は衝撃を受けた。
君はリーザといい雰囲気だろ?と問うとリーザも応援してくれてると。
なんて事だ。
何となくだが彼女の言い分もわかる。
ククルもきっと俺が誰かを好きだと言えば応援するからだ。そして最後には私のところに帰ってきてくれるものと自信満々に言うだろう。
「ダメか?」
成る程、いわゆる告白という事で返事を待たれているのだな…。
よし、受け入れようとも。
そして盛大にお前に嫌われてやろうと俺はの心に決めたのだ。
でも待てよ…受け入れる前に試したい事がある。
確か昔にこんな話を聞いた。
質問で返す男は嫌われるとか何とか。
よし、これだ。
「ダメ、と言ったら?」
ささみ
TRAINING片思いと夜に一人考える推しが大好物。最近はちょっと女々しい勇者が頭を占めています。
眠れない夜の話夜の空は思ったよりも明るい。
月も星も良く視える。
久しぶりのベッドはあまり寝心地が良くなかったようで、ふいに目が覚めた。
起き上がりぼんやりと窓から外を眺める。
小さな溜息が漏れる。
我ながらその溜息に女々しいなと感じた。
世界のためなら例え人々に後ろ指を刺されても、罵られても平気だと思っていたが。
存外に好意を寄せている相手からの嫌悪にはさすがに堪えるようだ。
ふと相手の顔を思い浮かべる。
この間少しだけ手助けした時に随分と怒られたものだと。
「手出すなよ」
パチンと手を払わられた。
その時に叩かれた感覚が手の甲に過ぎる。
手甲をしているのでどちらかといえば叩いた相手の方が痛かったのでは?と心配した。
その想い人に自分がした悪逆非道とも言える仕打ち。
2234月も星も良く視える。
久しぶりのベッドはあまり寝心地が良くなかったようで、ふいに目が覚めた。
起き上がりぼんやりと窓から外を眺める。
小さな溜息が漏れる。
我ながらその溜息に女々しいなと感じた。
世界のためなら例え人々に後ろ指を刺されても、罵られても平気だと思っていたが。
存外に好意を寄せている相手からの嫌悪にはさすがに堪えるようだ。
ふと相手の顔を思い浮かべる。
この間少しだけ手助けした時に随分と怒られたものだと。
「手出すなよ」
パチンと手を払わられた。
その時に叩かれた感覚が手の甲に過ぎる。
手甲をしているのでどちらかといえば叩いた相手の方が痛かったのでは?と心配した。
その想い人に自分がした悪逆非道とも言える仕打ち。
menhir_k
TRAININGエルアー頭を冷やそうポイント・オブ・ノーリターン 窓からは、雲一つない晴れた青空が見えていた。空港に停泊した艦は駆動音一つ立てず、沈黙している。
耳鳴りがしそうなほどの静けさの中で、外套の留め具に指をかけた。そこへ、呼び出し音が鳴る。
低く掠れた男の声が、シルバーノアの廊下からアークの名前を呼んだ。知った声だ。だが、珍しい。
ロックを外し、キャスケット帽に手を伸ばす。
「どうぞ」
程なくして扉が開いた。黒装束に身を包んだハンターの男が、そこにいた。彼一人だけのようだった。ますます珍しい。
「おかえり、シュウ。早かったな」
疑念を振り払い、微かな動揺を悟らせることのないよう努めて声をかける。シュウは小さく顎を引くように頷くと、部屋の中に入って来た。彼の背後で音を立てて扉が閉まる。
4840耳鳴りがしそうなほどの静けさの中で、外套の留め具に指をかけた。そこへ、呼び出し音が鳴る。
低く掠れた男の声が、シルバーノアの廊下からアークの名前を呼んだ。知った声だ。だが、珍しい。
ロックを外し、キャスケット帽に手を伸ばす。
「どうぞ」
程なくして扉が開いた。黒装束に身を包んだハンターの男が、そこにいた。彼一人だけのようだった。ますます珍しい。
「おかえり、シュウ。早かったな」
疑念を振り払い、微かな動揺を悟らせることのないよう努めて声をかける。シュウは小さく顎を引くように頷くと、部屋の中に入って来た。彼の背後で音を立てて扉が閉まる。
menhir_k
REHABILIエルアーパレイドリア 斜陽で紅く染まった一室に、戦艦の駆動音が重々しく鳴り響いていた。
話し合いの結果、次の目的地をミルマーナに定めると、集まった仲間たちは散開していく。次々と部屋を後にする背中を、椅子に逆向きに腰掛けたままのエルクは、背凭れに頬杖を突いて見送った。その視界の端を、鮮やかな赤色が掠める。翻るアークの鉢巻きだ。
インディゴ染めに似た濃紺の、極東の島国の伝統的な衣服に包まれた背中を見るともなしに見遣る。一族の血で大地を濡らし、穢れた炎で故郷を焼いた仇として、追い続けた背中が、手を伸ばせば容易く届く距離にあった。
「視線がうるさい」
抑揚を欠いた、平坦な声が鼓膜を震わせる。
残照を透かす赤銅とも真鍮ともつかない金属めいた煌めきに輪郭を滲ませたブルネットが閃くと、振り返ったアークと視線がかち合った。いつもは春を待つ枯れた冬の森に似た色の双眸が、今は夕焼けを宿して炎の名を冠する蛋白石のように揺れている。かつて、ピュルカの集落に灯され続けた篝火のような燦めきだ。今は失われた故郷の光だ。
3333話し合いの結果、次の目的地をミルマーナに定めると、集まった仲間たちは散開していく。次々と部屋を後にする背中を、椅子に逆向きに腰掛けたままのエルクは、背凭れに頬杖を突いて見送った。その視界の端を、鮮やかな赤色が掠める。翻るアークの鉢巻きだ。
インディゴ染めに似た濃紺の、極東の島国の伝統的な衣服に包まれた背中を見るともなしに見遣る。一族の血で大地を濡らし、穢れた炎で故郷を焼いた仇として、追い続けた背中が、手を伸ばせば容易く届く距離にあった。
「視線がうるさい」
抑揚を欠いた、平坦な声が鼓膜を震わせる。
残照を透かす赤銅とも真鍮ともつかない金属めいた煌めきに輪郭を滲ませたブルネットが閃くと、振り返ったアークと視線がかち合った。いつもは春を待つ枯れた冬の森に似た色の双眸が、今は夕焼けを宿して炎の名を冠する蛋白石のように揺れている。かつて、ピュルカの集落に灯され続けた篝火のような燦めきだ。今は失われた故郷の光だ。
menhir_k
TRAININGヨシュアパッパお亡くなりちょっと後のエルアータイトル考えるのが面倒なので同じでいいやの精神
「サヨナラ」ダケガ人生ダ 3 辺りには、清涼な朝の空気が漂っていた。何処からか、水の落ちる音が聞こえる。近くに滝がある、と教えてくれたのはエルクと歳の近い音楽に祝福された少年だ。
申し訳程度に舗装された石と土で出来た道を歩く。頭上に広がる夜の気配を淡く残した空を、鷲に似た猛禽が旋回していった。凡そ馴染みのない、けれど何処か今はもう失われた故郷を彷彿とさせる簡素で原始的な家屋の間を通り過ぎて、やがてエルクは切り立った崖に辿り着く。そこには先客がいて、朝日に輪郭を滲ませて佇んでいた。強い風に、長い鉢巻きがたなびいている。暗い色の髪は、日の光が透けて赤みを増し光って見えた。
「アーク」
名前を呼ぶ。声を張り上げたわけではなかったので風に掻き消されてもおかしくなかった。それでも、エルクの呼び声を確かに拾い上げて、彼は振り返った。
3837申し訳程度に舗装された石と土で出来た道を歩く。頭上に広がる夜の気配を淡く残した空を、鷲に似た猛禽が旋回していった。凡そ馴染みのない、けれど何処か今はもう失われた故郷を彷彿とさせる簡素で原始的な家屋の間を通り過ぎて、やがてエルクは切り立った崖に辿り着く。そこには先客がいて、朝日に輪郭を滲ませて佇んでいた。強い風に、長い鉢巻きがたなびいている。暗い色の髪は、日の光が透けて赤みを増し光って見えた。
「アーク」
名前を呼ぶ。声を張り上げたわけではなかったので風に掻き消されてもおかしくなかった。それでも、エルクの呼び声を確かに拾い上げて、彼は振り返った。
menhir_k
TRAININGア一クにとって工ノレクが世界の縮図なら、工ノレクからの誤解が解けるということは世界からの誤解が(何れ)解けることを示唆していて、それはア一クにとって数少ない報いだったのかなと書き終わってから思ったし、だとしたら工ノレクからア一クへの誤解は報いに至るために必要なものだったのだなぁという謎の気付き(全て仮定と言う名の妄言)「サヨナラ」ダケガ人生ダ 2 微かな呻き声が聞こえて、足を止める。不規則な明滅を繰り返す蛍光灯に照らされた廊下には、アークしかいない。それでも、物々しいシルバーノアの駆動音にかき消されてもおかしくないほどのか細く小さなその声を、確かにアークの耳は拾った。拾ってしまった。タイミングの悪さにうんざりする。
アークは、あまり意識しないようにしていた傍らの扉へと視線を遣った。鉄製の自動扉だ。ロックのかかった扉の向こうの部屋は、最近行動を共にするようになったハンターの少年に与えたものだ。呻き声はこの中から聞こえた。間違いない。
少年の——エルクの境遇は、大まかにだが知っている。彼から直接聞いたわけではない。だからと言ってアークから積極的に訊ねるわけにもいかない。エルクの過去はそれほどまでにデリケートで過酷だった。そんな彼が、扉一枚隔てたその向こう側で悪夢にうなされている様子は想像に難くない。だからと言って、そう多くの言葉を交わしたことのないアークが、容易に踏み込んで良い領域でもないように思えた。だから、うんざりしたし面倒だった。
4237アークは、あまり意識しないようにしていた傍らの扉へと視線を遣った。鉄製の自動扉だ。ロックのかかった扉の向こうの部屋は、最近行動を共にするようになったハンターの少年に与えたものだ。呻き声はこの中から聞こえた。間違いない。
少年の——エルクの境遇は、大まかにだが知っている。彼から直接聞いたわけではない。だからと言ってアークから積極的に訊ねるわけにもいかない。エルクの過去はそれほどまでにデリケートで過酷だった。そんな彼が、扉一枚隔てたその向こう側で悪夢にうなされている様子は想像に難くない。だからと言って、そう多くの言葉を交わしたことのないアークが、容易に踏み込んで良い領域でもないように思えた。だから、うんざりしたし面倒だった。
menhir_k
TRAINING漫画で描こうかなと思ったネタなので短いし、最後にプレイしたのがかなり前なのでキャラの口調が絶賛迷子でド別人「サヨナラ」ダケガ人生ダ花ニ嵐ノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
***
薄暗い部屋の中に重低音が響いている。嵌め殺しの窓からは、風の海に泡立つ雲の波がうねって見えた。締め切られた室内は何処からともなく入り込んだ燃料のにおいが漂い、閉塞感で息苦しい。無機質な硬い寝台に横たわるエルクが見上げた先には、無個性に整った顔立ちの少年が浮かび上がるように佇んでいる。
アークだ。
「……何でいるんだよ」
ここはこの艦で俺に宛がわれた部屋だろ。のろのろと上体を起こしながらエルクが訊ねると、アークは小さく肩を竦めた。それから、この部屋のカードキーのスペアを取り出してちらつかせて見せる。
「うなされる声が廊下まで聞こえた」
「だからって……この艦にはプライバシーとかないのかよ」
2425「サヨナラ」ダケガ人生ダ
***
薄暗い部屋の中に重低音が響いている。嵌め殺しの窓からは、風の海に泡立つ雲の波がうねって見えた。締め切られた室内は何処からともなく入り込んだ燃料のにおいが漂い、閉塞感で息苦しい。無機質な硬い寝台に横たわるエルクが見上げた先には、無個性に整った顔立ちの少年が浮かび上がるように佇んでいる。
アークだ。
「……何でいるんだよ」
ここはこの艦で俺に宛がわれた部屋だろ。のろのろと上体を起こしながらエルクが訊ねると、アークは小さく肩を竦めた。それから、この部屋のカードキーのスペアを取り出してちらつかせて見せる。
「うなされる声が廊下まで聞こえた」
「だからって……この艦にはプライバシーとかないのかよ」