ツキシロ
DONEオー晶バレンタイン小話。あんまり甘くない???さんざめく心臓オー晶
目が覚めた時には、中天に月が昇っていた。
腹を触ってみる。もたれた木の幹には、指が触れない。完全に貫通していた穴は塞がって、血も止まっている。ミスラの魔力の残滓を感じながら、呪文を唱えた。血のにおいがようやく消える。
「ちっ……」
舌打ちをして立ち上がる。血が足りないから、足元がふらついた。瞼の裏、記憶に残る閃光。あの忌々しい髑髏。
もう一度呪文を唱えると、魔法舎に戻った。既に夜中だから、暗く、静まり返っている。ひょっとしたらバーは明るいかもしれないが、足を向ける気にはとてもならない。
足を引き摺るように歩いていくと、キッチンから明かりが漏れていた。ネロが仕込みをしているのだろうか。そう思って覗いてみたら、見えたのは、もっと小さな背中だった。
2216目が覚めた時には、中天に月が昇っていた。
腹を触ってみる。もたれた木の幹には、指が触れない。完全に貫通していた穴は塞がって、血も止まっている。ミスラの魔力の残滓を感じながら、呪文を唱えた。血のにおいがようやく消える。
「ちっ……」
舌打ちをして立ち上がる。血が足りないから、足元がふらついた。瞼の裏、記憶に残る閃光。あの忌々しい髑髏。
もう一度呪文を唱えると、魔法舎に戻った。既に夜中だから、暗く、静まり返っている。ひょっとしたらバーは明るいかもしれないが、足を向ける気にはとてもならない。
足を引き摺るように歩いていくと、キッチンから明かりが漏れていた。ネロが仕込みをしているのだろうか。そう思って覗いてみたら、見えたのは、もっと小さな背中だった。
erieru48
PROGRESS2/10-11晶ちゃんオンリー4用展示③前にupした酔っ払い晶ちゃんがオーエンに絡んでたマンガもどきの続きを描いてるんですという進捗報告?あとちょっとなんですけどね...
ROKA𓌉◯𓇋
DONEお相手は当日までのお楽しみ、届いたイラストと簡単な説明から小説を書くという《絵描き×字書き合作企画》でした!"晶がムルに噛みつかれてる場面を目撃した傷オエちゃんがけんじゃさまって美味しいのかなってがぶりしちゃう感じ"から妄想しました。
無自覚両片想いな2人です。
SSで綺麗にまとめるのめっちゃむずい...
オー晶♀Webオンリー 合作企画作品ある秋の風が爽やかな日。
晶は中央の国で開かれている骨董市に来ていた。
旅をしながらヴィンテージの服飾を集めては各地の市に出ているという魔法使いの噂を聞きつけたクロエが誘ってくれたのだ。
市と聞き小さなスペースで選りすぐりの品物を並べている様を想像していた晶だったが、その魔法使いの店は表向きは小さなテントでありながら一歩中に足を踏み入れると広々とした空間が広がっているという不思議なものだった。
後に聞いた話によるとこの店は魔力を持たないもの1人では訪れることが出来ないのだという。
晶にとって店内の商品はどれも珍しいものだったが、クロエはかつて訪れた地で見たものも多いらしく「ラスティカが教えてくれたんだけどね」と一つひとつ丁寧に説明してくれた。
4737晶は中央の国で開かれている骨董市に来ていた。
旅をしながらヴィンテージの服飾を集めては各地の市に出ているという魔法使いの噂を聞きつけたクロエが誘ってくれたのだ。
市と聞き小さなスペースで選りすぐりの品物を並べている様を想像していた晶だったが、その魔法使いの店は表向きは小さなテントでありながら一歩中に足を踏み入れると広々とした空間が広がっているという不思議なものだった。
後に聞いた話によるとこの店は魔力を持たないもの1人では訪れることが出来ないのだという。
晶にとって店内の商品はどれも珍しいものだったが、クロエはかつて訪れた地で見たものも多いらしく「ラスティカが教えてくれたんだけどね」と一つひとつ丁寧に説明してくれた。
kinka_byou
TRAININGオー晶♀短文。『夢森チャレンジ2』より。6月お題の《走馬灯》をお借りしました。書きたいとこだけ出力したから唐突に終わる。
走馬灯 任務に危険は付き物。とはいえ、今回は本当に危なかったかも知れない。
「走馬灯が見えました……」
「塔?どこに?」
地面にへたり込んだまま呟いた晶に、オーエンが訊ねた。晶が見上げると、彼は「意味がわからない」と言いたそうな顔をしていた。こちらの世界では馴染みのない表現だったのかも知れない。言葉を探しながら、晶はふらりと立ち上がった。まだ少し感覚がふわふわしている。
「走馬灯というのは、ええっと、死の間際に過去の記憶とかが巡って見えるみたいな……不思議な現象のことで」
知っている言葉でも人に説明するとなると案外難しい。晶も詳しく知っている訳ではないのでざっくりとした説明になってしまう。走馬灯ならオーエンの方がたくさん経験していて詳しそうな気がするけれど「オーエンは走馬灯を見たこと無いですか?」なんて訪ねて良いものだろうか。
529「走馬灯が見えました……」
「塔?どこに?」
地面にへたり込んだまま呟いた晶に、オーエンが訊ねた。晶が見上げると、彼は「意味がわからない」と言いたそうな顔をしていた。こちらの世界では馴染みのない表現だったのかも知れない。言葉を探しながら、晶はふらりと立ち上がった。まだ少し感覚がふわふわしている。
「走馬灯というのは、ええっと、死の間際に過去の記憶とかが巡って見えるみたいな……不思議な現象のことで」
知っている言葉でも人に説明するとなると案外難しい。晶も詳しく知っている訳ではないのでざっくりとした説明になってしまう。走馬灯ならオーエンの方がたくさん経験していて詳しそうな気がするけれど「オーエンは走馬灯を見たこと無いですか?」なんて訪ねて良いものだろうか。
柚月@ydk452
DONEオー晶♂SSひとひら散りゆく「ふふ、痛い?賢者様。」
オーエンの軽やかな問い掛けに、返す声はなかった。代わりに、静寂に響くのは浅い呼吸だけ。窓がないため外の景色は分からないけれど、此処に連れて来られるまでに見た降り積もる雪は、きっと晶の声すら閉じ込めてしまうだろう。
北の国の、とある小さな隠れ家にて。
晶は自由の効かない身体を横たえて、オーエンを見上げていた。色彩の異なる瞳は、晶の一挙手一投足を逃さぬかのように観察している。人形めいた美貌は常と変わらぬ表情なのに、それを取り巻く環境が異質だ。ベッドとテーブルと、椅子が一つずつ。無機質な壁はやや燻んでいて、頼りなさそうな灯りが揺らめいている。暖炉もあるが、オーエンがそれに火を付ける様子はない。背中から伝わる冷気にふるりと身を震わせると、部屋にまた哄笑が響いた。
5375オーエンの軽やかな問い掛けに、返す声はなかった。代わりに、静寂に響くのは浅い呼吸だけ。窓がないため外の景色は分からないけれど、此処に連れて来られるまでに見た降り積もる雪は、きっと晶の声すら閉じ込めてしまうだろう。
北の国の、とある小さな隠れ家にて。
晶は自由の効かない身体を横たえて、オーエンを見上げていた。色彩の異なる瞳は、晶の一挙手一投足を逃さぬかのように観察している。人形めいた美貌は常と変わらぬ表情なのに、それを取り巻く環境が異質だ。ベッドとテーブルと、椅子が一つずつ。無機質な壁はやや燻んでいて、頼りなさそうな灯りが揺らめいている。暖炉もあるが、オーエンがそれに火を付ける様子はない。背中から伝わる冷気にふるりと身を震わせると、部屋にまた哄笑が響いた。
m_seriina
DONE前作からほぼ1年振りになりました。オー晶♀好きさんのイベントに合わせて上げられてよかったです。
見直し出来次第、pixivに載せます。
魔法にかけられての逆トリオー晶版。元の世界に帰る方法のお話。 6297
maple_suger_box
DOODLEオー晶♀ Webオンリー『夢の森への招待状』展示作品です。間に合わず下描きですのでご観覧の際はご注意下さい。イベント新刊【https://tubakifriend.booth.pm/items/4291272】後の二人を想定しておりますが、これだけで読めると思います。オ晶でお菓子を食べているところに北の魔法使いが集まって…というお話です。 5
mh_nurumayu_yk
DONEこちらのオー晶♀小説→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18189559の晶ちゃん目線のおまけ小説。拝啓、冬のような貴方へ「……あ……」
目が覚めて視界に飛び込んだのは、白い天井だった。寝惚けた頭でそれが自分の部屋のものだと気付いたとき、ピピ、とスマートフォンのアラームがけたたましく鳴り響いた。
指先でうるさい音を消して、目を擦る。目元は涙でしとどに濡れていた。
夢を見ていた。
もう二度とは会えないヒトと会う夢だった。
不思議な感覚だった。夢の中で私は、自分が夢を見ているのを分かっていた。
分かっていたから、ずっと言えなかった想いを告げた。夢だから良いだろうと、そして夢の中でも彼はどんな反応をするのだろうと、そんな考えがあったから、告白の言葉が口をついて出た。
だってあれはまるで、夢でありながら夢ではないように、リアルだったから。
3782目が覚めて視界に飛び込んだのは、白い天井だった。寝惚けた頭でそれが自分の部屋のものだと気付いたとき、ピピ、とスマートフォンのアラームがけたたましく鳴り響いた。
指先でうるさい音を消して、目を擦る。目元は涙でしとどに濡れていた。
夢を見ていた。
もう二度とは会えないヒトと会う夢だった。
不思議な感覚だった。夢の中で私は、自分が夢を見ているのを分かっていた。
分かっていたから、ずっと言えなかった想いを告げた。夢だから良いだろうと、そして夢の中でも彼はどんな反応をするのだろうと、そんな考えがあったから、告白の言葉が口をついて出た。
だってあれはまるで、夢でありながら夢ではないように、リアルだったから。
Syami_mhyk
DONE晶ちゃんオンリー開催おめでとうございます!!こちらの作品は、なんとしてでも新規絵を…!と思い、急いで描いたものになります。頑張って描きましたが非常に雑です…!普段の投稿と変わりませんが楽しんでもらえたらなによりです。
※R18指定になりそうなものや微妙なものに関しては別にわけております。 6
Syami_mhyk
DONE『絶対晶♀至上主義2』開催おめでとうございます!オー晶♀⚠️血表現、暴力、グロ、
他の垢で既出の小説のため、見たことがある人がいるかもしれません。新しいものではないので申し訳ないです…。 4140
遠山龍二郎
SPOILER汐隈さんの『ふたりきり、星になれずに』(URL下記)の三次創作になります!本当に素晴らしい作品……初めて読んだとき泣いたしもう一回読んだときも泣いた……描いたところがマジでラストシーンなので先に二次創作の読了を推奨します!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14005825
柚月@ydk452
DONEオー晶♂短編『雨に濡れても待ち続ける』の続き
ただそばにいるだけで街道に沿って歩けば、甘い香りが漂ってくる。先程降った雨のせいで水溜りが所々にあるけれど、参加者を阻むほどでもない。それよりも空に掛かる虹と、ひっきりなしに打ち上がる花火も相まって、誰しもが笑みを浮かべている。
オーエンの方をちらりと見ると、つまらなさそうな表情をこちらに向ける。しかし晶が視線を外すと、瞳の奥から僅かな興奮が見え隠れしているような気がした。指摘すると、否定するだろうが。
人混みが増してきた。その奥向こうには初老の男性がステージに立ち、観衆に向かって語りかけている。あわよくばレノックス達と合流できないかと期待していたが、この人数では難しいかもしれない。大人しく、中央のオブジェで合流するのが無難だ。
3776オーエンの方をちらりと見ると、つまらなさそうな表情をこちらに向ける。しかし晶が視線を外すと、瞳の奥から僅かな興奮が見え隠れしているような気がした。指摘すると、否定するだろうが。
人混みが増してきた。その奥向こうには初老の男性がステージに立ち、観衆に向かって語りかけている。あわよくばレノックス達と合流できないかと期待していたが、この人数では難しいかもしれない。大人しく、中央のオブジェで合流するのが無難だ。
m_seriina
DONE新作に続く、逆トリップオー晶シリーズever afterの4作目です。逆トリオンリー月エトで先行で公開しました。微修正してpixivに上げています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16434534
スタンプとても嬉しいので残します。ありがとうございます…!!
from Day 4 onwards, 平日は飛ぶように時間が過ぎた。正しく、約一年前の生活をやり直しているようだった。
前の事なんて覚えてるかな、と思っていたが杞憂で、完全に覚えている訳ではないが、仕事は一度やった事をやり直すためそこそこに捗った。同僚とのランチで聞いた愚痴やちょっとした浮いた話には、前よりいい返しをしてあげられた気がする。
ただし記憶通り繁忙期だったため、定時に帰ることはなかなか叶わず、仕事の合間や夕方にはオーエンを思い出してそわそわとした。
数日するとオーエンも生活リズムがわかったようだった。スペアキーと少しのお小遣いを渡して、最低限の生活の常識を伝えた上で、自由に過ごしてもらうようにした。魔法が使えないので、そうそう間違いも起こらないと思いたい。
5918前の事なんて覚えてるかな、と思っていたが杞憂で、完全に覚えている訳ではないが、仕事は一度やった事をやり直すためそこそこに捗った。同僚とのランチで聞いた愚痴やちょっとした浮いた話には、前よりいい返しをしてあげられた気がする。
ただし記憶通り繁忙期だったため、定時に帰ることはなかなか叶わず、仕事の合間や夕方にはオーエンを思い出してそわそわとした。
数日するとオーエンも生活リズムがわかったようだった。スペアキーと少しのお小遣いを渡して、最低限の生活の常識を伝えた上で、自由に過ごしてもらうようにした。魔法が使えないので、そうそう間違いも起こらないと思いたい。