巡(メグル)@20216575z
DONE藍先生webアンソロジー【一筆啓上】参加作品でした。アンソロ終了しましたので全体公開とします。
期間中スタンプなどくださった方ありがとうございました。
一筆啓上一筆啓上
ああ、あなたへ手紙をしたためるのは初めてかもしれない。
沢山話したいことはあるのに。
本当に伝えたい事は常に心の奥に押しとどめ、結局言えずじまいになってしまった事が多くある。
不惑を超え、知命の年を過ぎてもまだ私の心は落ち着かず。私の天命とは、生きる意味とはいかなるものか、どうあるべきなのか……その答えをくれるものはもういない。
尊敬と憧憬と親愛と……そして悔悟の思いが心に影を落とし消え去ることはなく、もう幾年の時が過ぎ去ったのだろうか。
心残りとしてある罪悪感からなのか、贖罪の気持ちなのか。それとも過去を振り返り己の生き様を誰かに聞いて欲しいだけなのかもしれない。一番伝えたい人はもうこの世には居ないというのに。
4806ああ、あなたへ手紙をしたためるのは初めてかもしれない。
沢山話したいことはあるのに。
本当に伝えたい事は常に心の奥に押しとどめ、結局言えずじまいになってしまった事が多くある。
不惑を超え、知命の年を過ぎてもまだ私の心は落ち着かず。私の天命とは、生きる意味とはいかなるものか、どうあるべきなのか……その答えをくれるものはもういない。
尊敬と憧憬と親愛と……そして悔悟の思いが心に影を落とし消え去ることはなく、もう幾年の時が過ぎ去ったのだろうか。
心残りとしてある罪悪感からなのか、贖罪の気持ちなのか。それとも過去を振り返り己の生き様を誰かに聞いて欲しいだけなのかもしれない。一番伝えたい人はもうこの世には居ないというのに。
巡(メグル)@20216575z
TRAINING藍先生webアンソロ執筆者様用サイトのサンプル作品。パスワードは執筆者様用サイトに掲載してます。内容は特に全年齢ですが、サムネイル見えない処置としてワンクッションとしてます
あくまで想像なので、ゆるーく読んでくださるとありがたいです。
あなぐらさまの20の質問を使用させて頂いております。http://99.jpn.org/ag/ 1919
はるもん🌸
MOURNING今日も家訓をやぶって藍忘機に口づけをしている場所を発見してしまった藍啓仁。当初は同様で血を吐くほどだったが、もう見慣れて今はため息しか出ない。刹那、今は亡き江楓眠の言葉を思い出す。魏無羨はそういう人間なのだと。そんなことは藍啓仁には関係がない事だ。今日も彼は彼の正義のために説教をする――――――――。かわいい子には旅をさせろかわいい子には旅をさせろ。若い頃、国外から来た客人にそんなことわざがあると教わった。
弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
847弟子は皆可愛く思う。その中でも、藍忘機には才能を感じ、早くから様々な夜狩に向かわせた。
その結果、どうなったか。
丹精込めて育て上げ、特に気に入っていた弟子は得たいの知れない人間なのか魔なのかよくわからない奴に惑わされてしまった。未だに二人の仲をよくは思っていない。いつか藍忘機が魏無羨に飽きてくれればいいのにとさえ思っている。
しかしそんな日は来ないだろう事はわかっていた。
藍忘機の執着心は父親にソックリなのだ。
そしてもう一つ、藍啓仁は理解している事がある。表向きは魏無羨が藍忘機を惑わしたように見えるが、実際は違う。
魏無羨は昔から美しい女性が好きだったという噂はかねがね聞いていた。
巨大な石の顔
SPUR MEサンサーラシリーズ番外編。蛍にまつわる叔父上の思い出話。藍パパを捏造しています。時系列的には兄上はまだ閉関しています。CP要素なし。蛍火 藍家の二の公子が、読んでいた本を閉じてそろそろ寝ようとしていたとき。彼の居室に二つ年上の兄がやってきた。
兄は人好きのする穏やかな微笑みとともに竹でできた虫籠を弟に向けて掲げた。中では小さな黒い虫が二匹、小さくて狭い床に這っていた。
兄が剣胼胝のできた指で籠の小さな扉を開けると、部屋の明かりもふっと消えた。
すると、籠から二つのとても小さな光がおそるおそる飛んだ。ここはどこだろうと戸惑っているかのようだ。それから光は暗い部屋の中をさまようかのように不安定に飛んだ。
二の公子は、落ち着かないように飛んでいる光のそばに手のひらを差し出す。優美な仕草だが彼の手にも武骨な剣胼胝はできている。
すると光は暗闇に浮かぶ白い手にすっと音もなく止まった。闇色の羽を持った小さな虫は、手のひらの上で緑がかった黄色い光を尾から放った。息を吸って吐くかのように、人の魂魄よりも明るく強い光は二の公子の手のひらで何度も瞬いた。
2148兄は人好きのする穏やかな微笑みとともに竹でできた虫籠を弟に向けて掲げた。中では小さな黒い虫が二匹、小さくて狭い床に這っていた。
兄が剣胼胝のできた指で籠の小さな扉を開けると、部屋の明かりもふっと消えた。
すると、籠から二つのとても小さな光がおそるおそる飛んだ。ここはどこだろうと戸惑っているかのようだ。それから光は暗い部屋の中をさまようかのように不安定に飛んだ。
二の公子は、落ち着かないように飛んでいる光のそばに手のひらを差し出す。優美な仕草だが彼の手にも武骨な剣胼胝はできている。
すると光は暗闇に浮かぶ白い手にすっと音もなく止まった。闇色の羽を持った小さな虫は、手のひらの上で緑がかった黄色い光を尾から放った。息を吸って吐くかのように、人の魂魄よりも明るく強い光は二の公子の手のひらで何度も瞬いた。