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    #风情

    flavor

    koh_noma

    MOURNING先月、素敵な风情企画があり、そこに投げたかったのですが、うーん趣旨と合わないんじゃね?と思い、投稿を断念したものです……
     まぁ、せっかく書いたしなぁ〜ということで供養。
     見つけてくださってありがとうございます。
     
     恋心を自覚すると、慕情は逃げようとする、風信は腹をくくる、そんなふうに私は思っています。
    繍球、転がる 仙楽国は滅び、亡国の皇子となった謝憐と、その従者二人を取り巻く事態は坂道を転がり落ちるかのように悪化の一途を辿っていた。
     日々の暮らしは困窮していく一方で、一筋の光も差さない暗闇を歩くかのような毎日に、一行の心は少しずつ、だが、確実にすり減っていった。
     このときの謝憐は、そもそも出口があるのかもわからない迷路を彷徨うような気持ちだっただろう。
     そして、当然、慕情にも漠然とした不安が常に付き纏っていた。
     
     だが、このような状況だからこそ、少しの幸運に心を躍らされ、美しいもの、愛らしいものを素直に愛でることが大事なのだと、そう思うのだ。
     慕情は、はたと足を止めると、少し遠くを見つめた。

     だが、先を急いでいるのに、後ろに続く足音が途絶えたことに苛立ったのだろう。不機嫌さを隠そうともせず、風信が問いかけた。
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    noa/ノア

    DONE[FengQing]初書き天官賜福&风情。6月に思いついたので、初書き冒頭でいきなりプロポーズしてしまいました。
    この世界の設定がまだよくわかっていないので、いろいろ捏造しているかもしれません。

    ※風信の過去に一瞬触れますがそれほどネタバレはないと思います
    契り「なぁ……慕情」
     重たい瞼を持ち上げ、絞り出すように名前を呼ぶ声も、目の前のその顔を向けさせることはできない。だが、次の言葉は違った。
    「……結婚してくれ」
     思わず顔を上げた慕情は、まるで風信の顔から妖魔が現れたかのように、ぎょっとした顔で見つめた。しばし静止したのち、やっと口を開く。
    「この程度の傷で正気失うなんて無様すぎるぞ」
    「正気を失ってなどいない」
     どこまでも真剣な顔で風信は答えた。
     さっきまでの戦闘が嘘のように、あたりは静まり返っている。
     簡単な任務のはずだった。
     二体の妖魔の討伐。等級からいって、一人一体ずつ片付ければ良いだろうと二手に別れた。風信が相手にした方は多少すばしっこかったが、相手の急所を素早く見抜き、寸分たがわず命中させた矢で妖魔は雲散霧消した。だが、拍子抜けしたような気分で慕情の方を見に行こうかと思ったその途端、突然目の前に、倒したはずの妖魔が再び現れたのだ。
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