白流 龍
DONEディルガイ:釣り馬鹿げていると思いながらも、願うは隣にいたいだけ
※付き合ってない
※ゲスト:ウェンティ(呼び方捏造)
「旦那、もう一杯くれ」
「呑みすぎだ。もうやめておけ」
「けち」
「うるさい」
端から見ていて、正直イライラするんだよね。この二人。
「ねぇねぇ、ボクにももう一杯ちょうだい?」
「あぁ…何にする?」
「はぁ?贔屓だ贔屓だ!!」
「君の場合はもうそれ酔ってるだろう。それに明日も早いのだろうが」
追加のグラスをあおぎながら、ウェンティはほくそ笑む。
これで付き合ってないっていうんだからムリがあるよねぇ。
「ねぇねぇガイアくん」
「ん、なんだぁ?」
家に戻る後ろ姿があまりにも千鳥足で、これはディルックの方がよくわかっていると思う。しかしディルックは明らかにガイアとのあからさまな接触を避ける。
…こんなによく見てるのにねぇ。
「ガイアくんってさ、ディルックのことどう思ってるの?」
1628「呑みすぎだ。もうやめておけ」
「けち」
「うるさい」
端から見ていて、正直イライラするんだよね。この二人。
「ねぇねぇ、ボクにももう一杯ちょうだい?」
「あぁ…何にする?」
「はぁ?贔屓だ贔屓だ!!」
「君の場合はもうそれ酔ってるだろう。それに明日も早いのだろうが」
追加のグラスをあおぎながら、ウェンティはほくそ笑む。
これで付き合ってないっていうんだからムリがあるよねぇ。
「ねぇねぇガイアくん」
「ん、なんだぁ?」
家に戻る後ろ姿があまりにも千鳥足で、これはディルックの方がよくわかっていると思う。しかしディルックは明らかにガイアとのあからさまな接触を避ける。
…こんなによく見てるのにねぇ。
「ガイアくんってさ、ディルックのことどう思ってるの?」
白流 龍
DONEディルガイワンドロワンライ 花火君の目に写る
空に浮かぶ大輪の花を見ている姿、その儚い光はいつ消えてしまうのかと
そればかりを考えていたように思う。
「お前全然花火見てなかったろ」
そう言われて気付いた。
「そうだな。君が好きだから」
「っ!?なっおまっそういう…っ」
昔より、今の方が表情が豊かになっている。そうさせたのは僕ではないことは確かで
「…さぁ、帰ろうか」
その分を取り返すように、僕も素直に気持ちを伝えるようになった。
椅子から立ち上がり歩き始めようとする帯を引かれる
「なんだ?」
振り向くと、座ったまま俯く姿
「あーと、なんだ、その…」
歯切れの悪い言葉に笑いが込み上げそうになるが、本人はいたって真面目そうなので我慢する
「これ、やらないか…?」
後ろ手から出したそれは、細い糸のようなもの
912そればかりを考えていたように思う。
「お前全然花火見てなかったろ」
そう言われて気付いた。
「そうだな。君が好きだから」
「っ!?なっおまっそういう…っ」
昔より、今の方が表情が豊かになっている。そうさせたのは僕ではないことは確かで
「…さぁ、帰ろうか」
その分を取り返すように、僕も素直に気持ちを伝えるようになった。
椅子から立ち上がり歩き始めようとする帯を引かれる
「なんだ?」
振り向くと、座ったまま俯く姿
「あーと、なんだ、その…」
歯切れの悪い言葉に笑いが込み上げそうになるが、本人はいたって真面目そうなので我慢する
「これ、やらないか…?」
後ろ手から出したそれは、細い糸のようなもの
白流 龍
DONE #ディルガイワンドロワンライ 海この鼓動を波の音でかき消して
波の音がする。
◆
砂浜で、ギリギリ波が届かないところで体育座りをする。
太陽がギラギラと照りつけ、ジリジリと暑い。このまま服を来たまま海に入ろうかな
そんな事をぼーっと考えていた。
「わっ」
ぼすっという音と共に視界が暗くなる
「熱中症になるよガイア。ちゃんと帽子かぶって」
「え、あ…ありがと」
ディルックはふわりと笑って俺の隣に座った。
「なに考えてたの?」
「え…と、海に入ろうかなって。」
「じゃ入ろっか!!」
でも服が、という間には既に腰までつかっていて
「ガイアもおいでよ気持ちいいよ!!」
なんて誘われたら入らないわけには行かない。
ちゃぷ、と足が波につくと心地よかった。
「うわっ!!」
「はははっ」
頭から海水を浴びせられ一気にびしょ濡れ
2296◆
砂浜で、ギリギリ波が届かないところで体育座りをする。
太陽がギラギラと照りつけ、ジリジリと暑い。このまま服を来たまま海に入ろうかな
そんな事をぼーっと考えていた。
「わっ」
ぼすっという音と共に視界が暗くなる
「熱中症になるよガイア。ちゃんと帽子かぶって」
「え、あ…ありがと」
ディルックはふわりと笑って俺の隣に座った。
「なに考えてたの?」
「え…と、海に入ろうかなって。」
「じゃ入ろっか!!」
でも服が、という間には既に腰までつかっていて
「ガイアもおいでよ気持ちいいよ!!」
なんて誘われたら入らないわけには行かない。
ちゃぷ、と足が波につくと心地よかった。
「うわっ!!」
「はははっ」
頭から海水を浴びせられ一気にびしょ濡れ
白流 龍
DONE #ディルガイワンドロワンライ お題:アルバムいつも「僕が守るから」って、言ってくれたから好きだったんだ。
「も…ふざっ…けるなよ…」
「付き合わせて悪かったよ」
息が乱れるベッドの上で、腕で顔を隠したガイアは悪態をついた。
「今日も気持ち良かったよ。ガイア」
「やめろよそういうの!恥ずかしく…っない、のかよ…」
自分がつけたキスマークをなぞるように軽いキスを落としていくと、付けられた時を思い出すのか、単に恥ずかしいからなのか、身を捩って拒否を示す。そんな姿が愛おしい。
「何か飲み物を持ってこようか。…アップルサイダーでも?」
「ア…そ、れでいい」
飲みたいものを当てられた事とそれを隠そうとしている事についクスクスと笑ってしまう。それが勘に障ったのかしっしと犬のように払い除けられてしまった。
氷をいれたグラスを2つ、サイドテーブルに置く。
2118「付き合わせて悪かったよ」
息が乱れるベッドの上で、腕で顔を隠したガイアは悪態をついた。
「今日も気持ち良かったよ。ガイア」
「やめろよそういうの!恥ずかしく…っない、のかよ…」
自分がつけたキスマークをなぞるように軽いキスを落としていくと、付けられた時を思い出すのか、単に恥ずかしいからなのか、身を捩って拒否を示す。そんな姿が愛おしい。
「何か飲み物を持ってこようか。…アップルサイダーでも?」
「ア…そ、れでいい」
飲みたいものを当てられた事とそれを隠そうとしている事についクスクスと笑ってしまう。それが勘に障ったのかしっしと犬のように払い除けられてしまった。
氷をいれたグラスを2つ、サイドテーブルに置く。
白流 龍
DONEディルガイワンライ:桜付き合う前のお話
正直、複雑な気分だ。
俺とディルックは…まぁ元々仲も良かった訳でもない。…過去を除けば、だが。
俺は営業スマイルで向こうは事務的な対応だ。
それでいいと思ってるしそれ以上を望むつもりもない。ただ、時折酒を飲んでいる時に俺に向けてくれる笑顔をみれればそれでいい。
…我ながら女々しいとは思う。が、幼い頃からの一方的に芽生えてしまった気持ちには抗えない。
ただここ最近、なんとなくだが距離が縮まっている気がする。
稲妻に出かけ、帰ってくると必ず花…桜というそうだが。それを1輪渡しに来るようになった。…無表情で、だが。
ただわざわざここ、騎士団に足を運ぶのだからそれなりに何か理由がありそうな気もするのだが、いくら頭を巡らせても答えは出ず。昨夜丁度バーテンだったから聞いてみたんだ。
3146俺とディルックは…まぁ元々仲も良かった訳でもない。…過去を除けば、だが。
俺は営業スマイルで向こうは事務的な対応だ。
それでいいと思ってるしそれ以上を望むつもりもない。ただ、時折酒を飲んでいる時に俺に向けてくれる笑顔をみれればそれでいい。
…我ながら女々しいとは思う。が、幼い頃からの一方的に芽生えてしまった気持ちには抗えない。
ただここ最近、なんとなくだが距離が縮まっている気がする。
稲妻に出かけ、帰ってくると必ず花…桜というそうだが。それを1輪渡しに来るようになった。…無表情で、だが。
ただわざわざここ、騎士団に足を運ぶのだからそれなりに何か理由がありそうな気もするのだが、いくら頭を巡らせても答えは出ず。昨夜丁度バーテンだったから聞いてみたんだ。
白流 龍
DONEディルガイ:三原色あの日見たお前の燃える瞳は忘れない。それは、燃え尽くされるような赤。
その日、お前の体に俺は、一つ目の傷を刻んだ。
嘘つき嘘つき嘘つき。
今まで培ってきたもの全部。ディルックとの思い出を全て。俺は捨てた。
自分の意思とは無関係に放たれた氷の刃は、溶けるはずの炎とぶつかり弾けた。嵐の中、閃光が走り、それらは黒となった。
…気付けば自分は、まるで罪滅ぼしのように騎士団の一員として働き、無心に闘っていた。その間得た物は、貼り付いて剥がれない笑みと、心に嘘をつく術のみだった。
その日は何をしていただろう。モンドの街に『闇夜の英雄』なんて噂がたち始めた頃。働き詰めで久々に街中を歩いているとその姿はあった。
その焔色の髪を、忘れたことはない。…あの日、ワイナリーの一室に仕舞われた神の目を見た時にもう二度と会うことはないのだと、過去を捨てるためにその場を離れたのに。
2051その日、お前の体に俺は、一つ目の傷を刻んだ。
嘘つき嘘つき嘘つき。
今まで培ってきたもの全部。ディルックとの思い出を全て。俺は捨てた。
自分の意思とは無関係に放たれた氷の刃は、溶けるはずの炎とぶつかり弾けた。嵐の中、閃光が走り、それらは黒となった。
…気付けば自分は、まるで罪滅ぼしのように騎士団の一員として働き、無心に闘っていた。その間得た物は、貼り付いて剥がれない笑みと、心に嘘をつく術のみだった。
その日は何をしていただろう。モンドの街に『闇夜の英雄』なんて噂がたち始めた頃。働き詰めで久々に街中を歩いているとその姿はあった。
その焔色の髪を、忘れたことはない。…あの日、ワイナリーの一室に仕舞われた神の目を見た時にもう二度と会うことはないのだと、過去を捨てるためにその場を離れたのに。
白流 龍
DONEディルガイワンライ:手料理カラン、とグラスの氷が音を立てる。
黄金色の透き通るその酒―午後の死―を呑むその主は、カウンターに突っ伏していた。
「…呑みすぎだ。」
ワイングラスを拭きながら溜め息混じりにそう答えるのはディルック。今はバーテンという職業柄、燃えるような赤い髪を高い位置で一括りにしている。
「んー…なんだもう店仕舞いか」
短時間だが眠っていたのだろう。額には枕にしていた腕の跡がついていた。
眠そうに目を擦るその姿を見て、少し、安堵している自分がいた。
「そうだ。…もう君だけだぞ。ガイアさん。」
わざと、二人になるまで起こさなかった事などおくびにも出さず、さも迷惑そうな声を出していることが、この男に見透かされていないことを確信したから。
2020黄金色の透き通るその酒―午後の死―を呑むその主は、カウンターに突っ伏していた。
「…呑みすぎだ。」
ワイングラスを拭きながら溜め息混じりにそう答えるのはディルック。今はバーテンという職業柄、燃えるような赤い髪を高い位置で一括りにしている。
「んー…なんだもう店仕舞いか」
短時間だが眠っていたのだろう。額には枕にしていた腕の跡がついていた。
眠そうに目を擦るその姿を見て、少し、安堵している自分がいた。
「そうだ。…もう君だけだぞ。ガイアさん。」
わざと、二人になるまで起こさなかった事などおくびにも出さず、さも迷惑そうな声を出していることが、この男に見透かされていないことを確信したから。