待ち合わせをして、講談を聞いて、ショッピングをして(もちろんオレ払い)、個室で晩飯を食べる。
そんなことを任務の合間にする中な訳だけども。
「公子殿」
「んー?」
先生の苦手な海鮮モノを代わりに平らげている時、
「頼みがあるのだが。」
急にかしこまった顔で言うから。まさか別れ話とかじゃないよね?と少し心がザワついた。
「なぁに先生。珍しいねそんなかしこまっちゃってさ。またなんか買って欲しいものでもあるの?」
「いや、でーとなるものをしたいのたが。」
…?
「ん、ごめん何だって?」
「『でーと』をしてみたい。もちろん貴殿と、だが」
ソースの中でツルツルと逃げるタコ足をなんとか箸で追いかけながら必死に頭を巡らせる。
そもそもこれがデートじゃないの?
3340